1回勝って終わる人と「勝ち続ける」人の差 世界一プロ・ゲーマー梅原大吾の「仕事論」

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17歳で世界一になったときに、そのままやめてもよさそうなんですけど、僕は「このままさらにやっていたら、何かあるんじゃないかな?」と思ったんです。世間から見れば無意味なんだろうけど、いちおう人と人が、「全力で勝ちたい」と思って取り組んでいて、それで、僕だけがその中で勝ち続けている。

10代の頃は「これだけ継続して勝つっていうのは、やっぱり価値があるだろう」、というぼんやりした期待、いつか注目されるんじゃないかという予感は、なぜかありました。

勝ち続けることとモチベーション

――1回勝って終わる人と、梅原さんのように20年間トップにいられる人の差はどこにあるのでしょうか?

ゲームなどの勝負では、勝ち負けがはっきりしますよね。たとえば、単純に大会で勝てば、それは勝ちということになる。でも、今このときだけ勝てればいいというやり方でやっていると、行き止まりになってしまうんです。

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行き止まりになるとどうあがいても結果が出なくなり、やらなければならなかったことや、地道に伸ばしてこなければならなかったところに、またイチから向き合うことになり、途方もない時間も必要になる。そうなったら、人って諦めてしまいますよね。

たとえば、文章がうまくなりたい、という人がいて、人に読んでもらいたいがために、旬の話題で誰でも興味をもってくれるものを書いたとしたら、読んでもらえますよね。これはそのときは「勝ち」なのかもしれない。でも、その旬が終わった時にお前何書くの?となったら、何も書けなくなってしまうわけです。

でも旬のネタに頼らずに自分の興味のあったものを自分なりの文章で伝えるという作業を何年もやっていたとしたら、ある瞬間から、ものすごくいい文章をつくれるようになっているわけです。それも、旬とか旬じゃないとか関係なしに、自分だけの文章が書けるようになっている。そうなったら、本当の意味で「勝ち」だし、「勝ち続ける」ということになると思います。

勝ち続けられるかどうかの条件をひと言で言えば、モチベーションを、外から与えられた条件でしか保てないのか、それとも自分の中のモチベーションで保てるかということの違いだと思います。

人にすごいと言われると誰でも「どうやら自分はすごいらしい」と、人に認めてもらうことがモチベーションになります。そこからさらに勝ち続けていくためには、モチベーションを「作り変えていく」作業というのがどこかで必要です。

勝ち続ける人になりたいんだったら、外から与えられた価値観だけで判断してちゃだめで、自分自身が楽しみというか成長を見つけていかないといけない。勝ち続けるように自分を「矯正」していかなければいけないんです。

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