アメリカ経済は復活するのか “日本化”で低成長期に移行?

しかし、先行きを懸念する声もある。一つは、労働市場を巡る状況だ。

まず、生産労働人口(15~64歳)の比率が低下することだ。先進国中で最も早く生産労働人口の比率がピークを打ったのは日本で、1995年ごろだが、米国も05年ごろをピークに反転している。高齢者の労働市場からの退出が続いているのだ。

また、最近活発になっているのが、雇用のミスマッチを巡る議論だ。米国の強さは移民のパワーに支えられていたが、移民の多くを吸収してきた単純労働の需要が、住宅着工の減退や新興国への生産シフト、機械化によって減少している。

米国の失業率は11年9月の9・0%から12年3月の8・2%まで低下し、雇用環境は順調に改善しているかに見えた。だが、非農業部門の雇用者数の前月比増加が、4月には大きく減速し、それまで続いた10万~20万人の増加から、10万人を切り、市場にはショックが走った。結局、6月分までその状態が続いた。

雇用の実態について、みずほ総合研究所の小野亮シニアエコノミストは「失業率の低下は労働参加率の減少でほぼ説明できてしまう」と解説する(図参照)。

日本の企業が賃金の削減によってコストを減らし、雇用を温存しようとするのに対し、米国企業はレイオフによって調整する。金融危機後に企業が雇用を大幅に削減したことにより、長期間(6カ月以上)失業している人の割合が失業者全体の4割超と高まっている。バーナンキFRB議長も憂慮を示している点だ。


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