SOMPO、メッセージ買収で介護首位級に 大手損保の傘下入りで健全化はできるか
損保メガ3社の一角、損保ジャパン日本興亜(SOMPO)ホールディングスが18日、介護事業大手のメッセージを買収すると発表した。損保ジャパンは現在、メッセージに3.5%出資しているが、TOB(株式公開買い付け)を実施し、連結子会社化を目指す。
メッセージは「アミーユ」などのブランドで有料老人ホームを展開し、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が主力。SOMPOは今12月21日から2016年1月25日にかけて、12月17日のメッセージの株価終値2354円に6.2%分上乗せした1株2500円で創業家から発行済み株式の34.69%を買い付ける。さらに第2弾として、創業家以外の株主を対象として、来年1月29日から、48.7%上乗せとなる1株3500円でTOB(公開買い付け)を実施する。
全株が集まった場合、取得金額は609億円となるが、100%の買収は行わずにTOB後もジャスダックへの上場は維持する方針。6月以降の株主総会において、社名を「SOMPOケアメッセージ」と変更し、代表取締役1名を含む取締役3名を派遣する予定だ。
介護業界で首位級に躍り出るSOMPO
SOMPOはこの12月1日に、居酒屋のワタミから「ワタミの介護」の株式を210億円で取得し、「SOMPOケアネクスト」と社名を改めて再スタートさせたばかり。前期2014年度の売り上げを基準とすると、ワタミの介護(354億円)、メッセージ(789億円)の2社合算で1143億円となり、介護業界で首位のニチイ学館(1443億円)に次ぐ2位に浮上する。なおSOMPOは12年9月には、九州地盤のシダー(107億円)も投資事業有限責任組合を通じて関連会社としており、グループとしては一挙にトップに匹敵する規模を得ることになる。
リハビリなど通所介護に強いシダーに、首都圏中心に中価格帯で施設介護を展開するSOMPOケアネクスト、さらに低・中価格帯で施設、在宅介護を持つメッセージが加わり、フルラインで介護サービスを提供できる態勢が整う。
高齢化の急速な進展を背景として、介護マーケットに対する成長期待は大きい。厚生労働省によると、介護保険給付費は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、2015年度の2倍の約20兆円に拡大すると見込まれている。
異業種からの参入も目立つ。最近でもイオン傘下のイオンリテールが通所型介護の設置を始め、またローソンがケア(介護)拠点併設型店の拡充方針を示している。保険業界では、東京海上グループが1996年から事業参入しているほか、MS&ADグループ、明治安田生命、ソニー生命を中核とするソニーフィナンシャルホールディングスなどが有料老人ホームなどを手掛けている。
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