SOMPO、メッセージ買収で介護首位級に 大手損保の傘下入りで健全化はできるか

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SOMPOは参入こそ保険会社の中では後発だが、2015年3月にはメッセージと資本・業務提携を取り交すなど、取り組みを強めていた。「安心・安全・健康」に資する最高品質のサービス提供を経営理念に掲げるSOMPOは、警備のALSOKと提携し、リフォームのフレッシュハウスを子会社化するなど、ここ数年、精力的に多角化を進めていた。中でも介護は「安心・安全・健康」に関しては"ど真ん中"といえる事業であり、買収を機に今後は「損害保険事業」「生命保険事業」と並ぶコア事業と位置づけ、力を注いでいく。

メッセージは子会社が運営する有料老人ホームで入居者の転落死が発覚。また施設での虐待行為といった問題も続き、11月には厚生労働省から介護保険法に基づき業務管理体制を適正に整備するよう勧告を受けている。18日に行われたアナリスト向け電話会議において、SOMPOの西澤敬二副社長は「非常に重たい課題であり、内部統制、リスク管理の仕組みを徹底的に高めて、まずはお客様に安心して頂けるような品質を最優先で作りたい」と述べた。

介護業界では約8割の事業者が資本金1000万円未満の中小事業者であり、有料老人ホーム上位10社の総居室数を合算しても、全体の3割に満たないという。

内部統制構築の課題に加え、人材不足などの問題も

SOMPOなど企業規模・資本力に優れた異業種大手企業による業界再編が進むことに対し、みずほ銀行産業調査部ライフケアチームの高杉周子氏は、「経営管理体制の強化や透明性の向上など、業界の健全な成長が促進される好機」と評価する。介護業界の競合大手からも「異業種大手が入ってくれることで安心感が高まる。消費者目線での改革が進むのでは」と期待する向きもある。

膨張する需要を背景に今後の成長が確実視される介護マーケット。だが、供給業者が利益を確保するうえでは、足元は逆風のただ中にある。介護職員は他業界に比較して給料が低いという見方が根強く、人材不足が構造的な問題となっている。加えて2015年4月に行われた3年に1度の介護報酬改定は9年ぶりのマイナス改定となった。

東京商工リサーチによると、2015年1~9月の介護事業者の倒産件数は2014年を上回って過去最高を記録。11月には業界トップのニチイ学館が今期2016年3月期の業績予想を赤字へと下方修正した。同社の連結経常赤字は、2001年3月期以来、何と15年ぶりのことだ。

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