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 楽天本体の社員3000人(当時、現在3200人)にアカウントを付与したのは11年3月。きっかけは、東日本大震災だ。それまで非常時の連絡手段がなかったため、社員同士で情報共有を行う場が必要と判断し、ヤマーがそのプラットフォームに選ばれたのだ。

「英語力」のアピールが社員のモチベーションに

まずはフェイスブックに慣れ親しんでいた社員が積極的に利用することで、SNSの活用が始まった。文章の投稿、写真の添付、カレンダーでのイベント告知など、ヤマーはフェイスブックとそっくりの使い勝手だ。他社と比べた楽天独自の活用法は「すべての投稿が英語で行われている」(開発アーキテクチャ部テクニカルマネージングオフィサーの吉岡弘隆氏)という点にある。

海外戦略を強化する楽天は10年2月に英語公用語化を発表。移行期間を経て、この7月から全面公用化に踏み切り、各役職で求められる英語能力を身に付けていないと降格人事が行われるほど徹底している。

ヤマーは海外子会社でも使われている。11年4月には子会社社員にもアカウントを付与し、楽天グループ7600人がヤマーユーザーになった(現在は8000人)。それと同時に、それまで日本語と英語が混在していたヤマー上の会話を、全面的に英語へ切り替えた。

SNSでの議論は活発で、時には三木谷浩史会長兼社長の発言が議論の題材になる。今年2月、三木谷氏のスピーチ内容に対し、20代の男性社員が「間違っている」と指摘した。三木谷氏は「楽天市場のページの特長は、ライブ感があり、ロングテール(=縦長)であること」と説明したが、同社員は「縦長ではよくない」と反論。それに対し、ヤマー上で賛否両論の議論が巻き起こった。三木谷氏もこの議論を見守った。

課題もある。英語化で起きたのが、英語が得意な社員はヤマーを積極的に使い、苦手な社員は使わないという二極化。現在の利用者は約2000人で全アカウント数の4分の1にすぎない。1週間に投稿する社員数は400~500人で投稿数は2000~2500とそれほど多くない。そのため、11年7月につくられた「ヤマー委員会」が、あの手この手で利用促進活動を行っている。 

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