米利上げ後の株価上昇は限定的なものになる

これから始まるのは「市場構造の大転換」

米FRBは市場の予想通り0.25%の利上げを実施。利上げ後の市場動向については、中長期の視野を持つことが必要だ(写真:AP/アフロ)

年内最大のイベント、米FOMC(12月15・16日)が終了した。米FRBは市場の予想通り、事実上のゼロ金利政策を解除し、0.25%の利上げを実施した。これにより、米国はひとまず緩和策から脱却したことになる。

市場の関心は今後の利上げペースに向かっているが、政策運営は今後の経済指標次第である。これまでのイエレンFRB議長の右往左往ぶりを考慮すれば、2016年以降もFRB関係者の発言に市場は振り回されそうだ。

米国株の反発は一時的な戻し

利上げ開始は2004年以来のことになる。「年内利上げが妥当」と言い続けてきたイエレンFRB議長は、胸をなでおろしていることだろう。一時は「チャイナ・ショック」で政策の方向性が大きくぶれ、FRBの信任が大きく失墜することもあったが、この利上げでひと息つけるはずだ。

一方、市場が注目していた2016年の利上げペースは市場予想通りの年4回で、FFレートの誘導目標は年末には1.375%程度にまで引き上げられる見通しである。しかし、今後も米国景気動向や、世界情勢に振り回され、FRBの政策の方向性は明確には決まらない状況が続こう。今回のFOMCでの決定内容が市場の予想通りだったことで、米国市場では買い安心感が広がり、株価は大きく戻した。これを受けて、日本株も大きく上昇する展開にある。利上げを前に調整していたが、年末に向けて強気な見方が多くなってきそうである。

しかし、過去の利上げ後の株価動向を見ると、そうならない可能性が高いことがわかる。米国株は利上げ後に最低5% 、最大で10%下げている。したがって、この日の利上げ決定を受けた反発はあくまで一時的な戻しであり、いったんはこの程度の下げを経験することになる。長引けば5月ごろまで低迷が続くだろう。

さらに、利上げ後の動きを長めに見ても、上昇率は思ったほどではないことがわかる。「利上げ後の株価は上昇」と理解されているが、米国株は利上げ後の1年間にほとんど上昇していない。翌年もせいぜい15%の上昇で、4年間でも4割程度の上昇にとどまっている。

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