三菱樹脂がセパレーターの能力倍増、EV電池向けで狙う逆転の勝算

三菱樹脂がセパレーターの能力倍増、EV電池向けで狙う逆転の勝算

三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱樹脂(本社・東京都千代田区)は7月24日、リチウムイオン電池の主要材料の一つであるセパレーター(絶縁材)の新工場を竣工したと発表した。長浜工場(滋賀県長浜市)内に設けた2系列目となる新ラインの工事が完了。2013年から商業生産を開始する。携帯電話やノートパソコンなど民生用の電子機器向けに加え、電気自動車(EV)をはじめとする車載用で大幅な拡大が見込まれるリチウムイオン電池市場の成長に備える。

長浜工場で2系列目となる新ラインの能力は年1500万平方メートル。従来の1200万平方メートルと併せて、全体の生産能力は現状から2倍以上となる計算だ。新ラインの設置には約25億円を投じた。

三菱樹脂は09年8月に「セパレント」(=写真=)の製品名でセパレーターの量産を開始。携帯電話やノートパソコン向けに採用を広げてきたのに加え、今後はEVやハイブリッド自動車(HV)などの車載用リチウムイオン電池の需要が大幅に拡大するとの期待から、今回の増強を決めた。

リチウムイオン電池は正極と負極の間をイオンが行き来することで放電と充電が行われる。その行き来を媒介するのが電解液。正極と負極を隔離しつつイオンの行き来を可能にする多孔質フィルムがセパレーターで、これらをリチウムイオン電池の主要4材料と呼んでいる。

セパレーターの分野では、旭化成グループと東レグループの2社が世界シェアの6割近くを握る圧倒的な存在で、それを米国のセルガード、韓国のSKなどが追いかけている。三菱樹脂はセパレータの分野では後発組に位置しており、シェアは10%にも満たないと推定される。

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