「戦争」で読む日米関係100年 日露戦争から対テロ戦争まで 簑原俊洋編 ~為政者レベルの知見をコンパクトにまとめる

「戦争」で読む日米関係100年 日露戦争から対テロ戦争まで 簑原俊洋編 ~為政者レベルの知見をコンパクトにまとめる

評者 中岡 望 東洋英和女学院大学教授

 東日本大震災の時、米軍は「トモダチ作戦」を展開し、積極的に被災者の救済に当たった。そうしたアメリカの対応は日本国民の間では高く評価され、世論調査ではアメリカに対する友好的な見方は急上昇した。しかし、それから1年半経った今、日米関係は安全保障の観点から政府レベルでは“同盟関係”が急速に深まっているが、国民レベルでは逆に米国に対する気持ちはやや冷えつつあるようだ。特に沖縄の基地や新型輸送機オスプレイの配備などを巡って不協和音が聞こえている。

長年、日米関係の密接さが語られる割には、お互いに対する理解は十分でないというのが多くの人の偽らざる印象だろう。目先の問題は別にして、改めて長期的な観点から日米関係を冷静に検証してみる良い時期が今来ているのかもしれない。

本書はそうしたニーズに応えようとするものである。編者によれば、本書には二つの独自性があるという。一つは戦争を軸に日米関係を検証したこと。もう一つは歴史家と国際関係論の専門家の共同作業であることだ。さらに付け加えれば、日露戦争からアフガニスタン復興支援まで長期的な視点から検証を行っている。

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