増税は必要だとしても、もっと総合的な議論を

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人材派遣への影響

最近、一部の企業の中では、消費増税に対処するための検討がひそかに続けられている。それによって、企業形態や事業のあり方に微妙な見直しが発生し、雇用にも影響が及びかねないのだが、残念ながら、まったくといっていいほど、そのような観点からの政策的な議論は行われていない。

たとえば、人材派遣会社から多数の派遣社員を受けている企業にとって、消費増税は由々しき問題となっている。派遣社員の活用費用は派遣社員への賃金支払いではなく、派遣会社のサービスに対する支払い(派遣料支払い)であり、それは物件費として消費税の対象となるからだ。したがって、派遣社員の活用のコストは一挙に上昇することになる。

とりわけ、稠密な店舗網で業務運営している金融業、流通小売業などは数多くの派遣社員を受け入れており、中には、グループ内に「スタッフサービス」といった派遣会社を有して、数多くの派遣社員をその派遣会社から受け入れているケースも少なくない。

そうした形態を取る企業が対応を迫られているのが、改正派遣法による「もっぱら派遣」の問題である。連結子会社である派遣会社が、その母社に全体の80%以上の派遣を行う「もっぱら派遣」について、改正法では基本的に禁止としている。

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