出世に後れた女の悩み、「残るべきか転職か」 仕事のミスが続き等級が新人並みに

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上司は、相談をしても「何でできないのかわからない」と恥も外聞もなく言ってしまう頼りがいのない方のようです。しかし、そうした上司であっても、少なくとも自分の範囲で改善できることとそうではないことを伝え、上司にやってほしいことを具体的に伝えるべきです。それだけでも、だいぶ状況の改善につながるように思えます。

仕事とは自分の力と周りの力の相乗効果で、よりよい結果が生まれるものですし、そうあるべきものです。

幸いなことにさちこさんには、現状を悔しいと思う気持ちや、恥ずかしいと思う気持ちをお持ちです。そのような気持ちを持つことは、改善しようよする行動につながるという意味においては、非常に重要です。

であれば、あとはその気持ちをバネに改善のための具体的な行動に移して、いつまでも悔しい気持ちを持ち続けないようにするべきです。

一発逆転ということはない

いただいた文章からは、さちこさんがかなり自分自身に対する自信を失っているように読めますが、改善のための行動に移す前に自信を失ってはいけません。そして、何事も何かをすれば一発逆転ということはないと心得ることです。

地道に改善し、地道に一歩一歩前に進むことで、気がつけば状況が改善されていたというケースが大半です。上を目指す気持ちが強いがゆえに、結果を出すことに焦ってはいけません。

仕事における成長は、やればやるほど加速度が増すものです。最初は小さな一歩だったものが、積み重ねることによって踏み出す一歩の幅が大きくなるものです。そのことは私自身の経験でもそうでしたし、周りを見ていても感じることです。

ですから、戦う前から勝手に自信を失ってはいけません。リングに上がると違った景色がきっと見えてくるはずです。さちこさんがご自身の思う理想の自分に、地道に近づけるように応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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