まだまだ市場開拓の余地が大きそうな「補聴器」の普及について考えてみた《それゆけ!カナモリさん》

 記事によると、「難聴児のために考えたが、意外にもお年寄りにも人気だった」とのことで、まだまだ伸びそうな気配がプンプン。これをさらに推し進め、「補聴器はQuality Of Life(QOL)を高めるポジティブなツールである」というポジショニングを確立する必要があるだろう。そう、ちょうど、めがねがそうであったように。

そうした商品が受け入れられるために次のキモとなるのは「Place(販路)」だ。補聴器の販売店は細かい調整やコンサルティングが必要なため、狭いチャネルに限られている。それを、「Promotion(販売促進)」を兼ねて広げるのである。最終的に販売・調整するのは技術を持った既存の販売店とするにしても、受注・送客は例えば低価格眼鏡店など、より多くの店舗数を持っているチャネルにバックマージンを払って利用するのである。ファッション感覚でめがねを選ぶというKBFとも整合する。Awareness → Memoryだけでなく、デザイン見本(モック)を置くことによってTrialまで態度変容を一気に進ませることができる。

残るは「Price(価格)」の問題であるが、新たなポジショニングが定着し、「魅せる補聴器」の販売が29%の自覚的潜在需要層により多く進めば、原価率が低減し、結果として価格低下はついてくるだろう。

・・・ここまで一所懸命考えたので、どなたか是非、実践してみていただけないだろうか。筆者はもちろん、大好きな赤くてキラキラしたパワフルなデザインのものを、(必要になり次第)すぐ購入しますので

《プロフィール》
金森努(かなもり・つとむ)
東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
◆この記事は、「GLOBIS.JP」に2012年6月22日に掲載された記事を、東洋経済オンラインの読者向けに再構成したものです。

 

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