パナソニックが株主総会を開催。11年度の巨額損失や株価低迷に対し批判相次ぐ
6月27日、大阪城ホール(大阪市)でパナソニックの株主総会が開催された。議長は大坪文雄・代表取締役社長。出席株主数は3718人(東京と名古屋会場を含めれば5630人)、所要時間は約2時間だった。「取締役16名選任の件」、「監査役2名選任の件」の2つの会社提案は承認された。
冒頭、議長の大坪社長が2011年度に7721億円の最終赤字を計上したことについて、「まことに申し訳なく深くお詫び申し上げます」と頭を下げた。質疑応答では、リーマンショック以降の株価低迷や、業績悪化、プラズマパネルへの過剰投資などに対する厳しい意見が相次いだ。
主な質疑応答は以下のとおり。
--11年度に巨額な損失を計上し、株価や時価総額も大坪社長の就任時から大きく下がっている。
(大坪社長)(自身の社長就任以降)東日本大震災やギリシャ危機、タイ洪水、超円高など経営環境が大きく変化した。リーマンショックのあと、事業構造を大きく変えなければならないということで社名変更、ブランド統一を行い、三洋電機を子会社化した。白モノの世界展開も着実にはかった。いま一番大事なことは12年度、確実にV字回復をはかるということだ。これにより失われた損失も挽回できる。結果として株価にもつながってくる。
--プラズマパネルの尼崎工場への巨額投資についてどのように判断したのか。かつて優等生だったテレビ事業が劣等生になってしまったのはなぜか。
(吉田守・AVCネットワークス社社長)2006年に尼崎工場の投資を決断した。リーマンショックや為替など環境の大きな変化、液晶技術の大きな進化で、プラズマの競争力が弱体化した。事業の構造改革で12年度は何があろうとも黒字を達成していきたい。