木本: 国には都合いいですが、個人のメリットって?
松本: ちゃんと税の申告をしている人にはデメリットはありません。
木本: といいますと。
松本: もし税の申告漏れをしている人には、払うべきものを払ってもらいます。すると国全体ではおそらく税収は増えますよね。で、税収が増えれば国の借金は減るわけです。
木本: 当然、そうなりますね。
松本: つまり国民全員にとっていいことなんです。そう考えると、メリット・デメリットではなく、どこかにズルしている人がいると、その分はちゃんと真面目にやっている人と同じだけ払うようにして、結果、国全体の税収は増えて、国全体へのメリット、望むらくはいずれ税金が減るとか、そういう方向にいくはずの制度なんです。
木本: マイナンバーを否定するのは、税金を払いたくない人がいるという側面が大きいのですか?
個人情報が危なくなるのか?
松本: いえ、もうひとつすごく面倒なのが個人情報の問題。
木本: ああ、個人情報。
松本: マイナンバーは国民ひとりに一つの番号がつくもの。その番号に紐付けされて、この人はどういうお金を貰ったか、どういうお金を使ったかとかがわかるわけです。万が一その個人情報データが漏れたりすると大変じゃないですか。それを漏らさないために、いろいろな仕組みを作らなきゃいけなくて。それが面倒くさいとか、でも万全な対策をしたといったところで必ず漏れるはず。そうした理由で反対する人も多いと思いますね。
木本: それで反対か。僕、すごく細かい話ですが、奥さんに内緒でネットバンクの口座作って、へそくりしているんですよ。それはどうなるんですか。
松本: 大丈夫です。マイナンバーは個人のもので、家族のものではない。だから個人として管理している分には、国には把握されるけど奥さんには・・・。
木本: わからない?
松本: ただいくら儲かりました、いくら損しました、を管理する目的なので。だからどこそこにこれだけ預金があるかを、マイナンバーによって情報を提出するということでは・・・。
木本: ないと。マイナンバーが普通になった時には、タンス預金がさらに増えるのではと勝手に思っていましたが、それは違うんですね?
松本: ただいずれは投資と同様、預金金利も損益通算すべしと、いわゆる金融一体課税が議論されていますので、10年後は銀行預金もマイナンバーが関係するかもしれませんが。
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