バフェットの孫が設立した投資会社の「目的」

社会貢献と利益の二兎を追うことはできるか

i(x)の最高経営責任者(CEO)を務めるニールソンは自社の使命について、社会変革を生み出すためにビジネスの力を活用することだと表現する。

出資先の候補はコオロギ養殖会社

立ち上げたばかりの新会社ながら、2人の語る事業規模はずいぶんと大きい。ニールソンによれば今年、同社は友人や戦略パートナーからすでに200〜300万ドルの出資を受けたという。

来年には、富豪の資産運用などを請け負うファミリーオフィスと呼ばれる組織や機関投資家、大手企業などから2億ドルを調達する見込みだという。ニールソンはクライナー・パーキンスやアンドリーセン・ホロウィッツといったベンチャーキャピタルや、グーグルなどのIT企業を回って売り込みを図っている。

調達した資金の活用については、ニールソンもバフェットに負けず大きな夢を抱いている。ニールセンによれば、今年はスタートダッシュなどはせず、新興企業への出資も少額に留めるというのは予定どおり。だが最終的には年に1億ドル相当の投資ができればと語る。そして2020年までに新規株式公開(IPO)するのが目標だ。

ニールセンによれば近々、i(x)は初の投資(2件)を行うという。

投資先として有望な企業の1つは、ニワトリや魚の餌となるコオロギを養殖する会社だ。コオロギは、トウモロコシのような従来の餌よりも環境に優しい飼料だという。空気中に含まれる水蒸気から飲料水を作る機械を製造しているスカイ・ウォーターも同じく有力な投資先だ。

中には1億ドル規模の投資案件もある。たとえば現在検討中の、太陽光発電分野の投資会社トゥルー・グリーン・キャピタルへの出資がそうだ。

海のものとも山のものともつかない企業ばかりだと思うかもしれない。だがニールソンとバフェットは、こうした商品の市場(およびそうしたビジネスへの出資意欲)は今後拡大していくと考えている。2人によれば、投資家の間では出資を決める際にビジネスの倫理性を考慮に入れる動きが広がっているという。

つまり投資家は、世の中に災いをもたらすのを避けるだけでなく、積極的に世の中をよくするような形で資金を生かしたいと考えているというわけだ。

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