アメイジング・スパイダーマン(The Amazing Spider−Man)--女性の活躍が世界を救う《宿輪純一のシネマ経済学》

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マクロな視点で国際的に考えた場合、女性の社会進出は著しく、国家のリーダーにも就き始めている。現在でも、ドイツのメルケル首相、オーストラリアのギラード首相、ブラジルのルセフ大統領などがいるし、少し前だとイギリスのサッチャー首相もいた。

このように、女性が国家の指導者になれるということは、ある意味、実力主義の社会構造なのであろう。しかも、ドイツも、オーストラリアも、ブラジルも経済状態は悪くない、むしろよいほうである。男性にはない、新しい柔軟な視点も功を奏しているのかもしれない。

本作の中で、ピーター・パーカーは「人生は容易なものではない」という。日本でも昔から「出る杭は打たれる」とよくいわれ、最近では「出る杭は抜かれる」ともいわれている。そのような世間の中で、女性が進出して、指導者にまでなるのは本当に大変なことだと思う。
 
 変わるのが嫌な輩や、形式的な官僚主義者からは、きっと妬みや嫌がらせもされたことだろう。『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』では描かれなかったその辺の苦労をいかに突破していったのか、彼女らを突き動かしたものは何なのかを、あらためて知りたい。


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6月23日(土)、24日(日)世界最速3D限定先行上映決定!※一部劇場を除く
6月30日(土)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国公開 !


しゅくわ・じゅんいち
博士(経済学)・映画評論家・慶應義塾大学経済学部非常勤講師・ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。1987年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。企画部、UFJホールディングス他に勤務。非常勤講師として、東京大学大学院(3年)、(中国)清華大大学院、上智大学、早稲田大学(5年)等で教鞭。財務省・経産省・外務省等研究会委員を歴任。著書は、『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『通貨経済学入門』・『アジア金融システムの経済学』(以上、日本経済新聞出版社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA、facebook:junichishukuwa ※本稿の内容はすべて筆者個人の見解に基づくもので、所属する組織のものではありません。

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