築77年「最古のRC公営団地」全国にわずか5棟、建物リノベでよみがえらせた長崎市「魚ん町+」

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「魚ん町+」は、建物自体は県が所有し、「ココトト合同会社」が1~2階の全12室を一括で借り受けて活用する、サブリース形式を採用している。1階は同社の直営スペースとして、シェアオフィスやシェアキッチン、ギャラリースペースを管理し、その他の部屋については入居事業者を募集している。

人を呼び込む運営とリノベーション

金銭面では決して楽な条件ではないが、儲けよりも「この建物を残して生かす」という使命感が、事業を動かす原動力になっているという。

その思いは、建物のハード面の整備にも表れている。「昭和の団地」の雰囲気はしっかりと残しつつ、必要な部分には大胆な改修を施した。

「団地の部屋なので、もともとは2Kの間取りですが、1階の自社管理部分は、人が集まるスペースとして使いやすいよう、壁を壊して隣り合う2つの住戸を1つにつなげる『2戸1(ニコイチ)』のリノベーションを行った部屋もあります」(田中さん)

シェアキッチンは床を一段下げて天井高を確保し、開放的な空間に。ここだけは入口に大きな窓を設け、出入りの動線もスムーズにするなど、シェアキッチンとしての使いやすさを重視した設計となっている。

「シェアキッチンやギャラリー、1階のトイレ部分には、あえて壁を壊したコンクリートの荒っぽい改装跡を残しています。昔ながらのレトロな雰囲気を生かしつつ、使いやすさや動線、居心地の良さを重視してアップデートしました」(田中さん)

魚ん町+
シェアキッチンの外観。「魚ん町+」は全体的に元のレトロな雰囲気を残しているが、一番入口側に当たるここだけは、開放的に見える改装を施した(写真撮影/中川千代美)
魚ん町+
シェアキッチンの中は、客席もたっぷり。床を下げているので天井が高い開放的な空間になっている。壁を抜いた跡や、壁の塗装跡もあえて残している。(写真撮影/中川千代美)
魚ん町+
ギャラリー内観。昔ながらの鉄筋コンクリートの風合いを残した空間に(写真撮影/中川千代美)
魚ん町+
団地の小さな扉や間仕切りを生かしたトイレ(写真撮影/中川千代美)
次ページ4階部分は団地時代の部屋をそのまま残した“博物館的”な空間
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