築77年「最古のRC公営団地」全国にわずか5棟、建物リノベでよみがえらせた長崎市「魚ん町+」
「この場所づくりに共感してもらえる方に入っていただきたいですね。そして、入居者同士が横のつながりを持ち、運命共同体として一緒に成長し、盛り上げていける。そんな一つのコミュニティにしていきたいです」(伊東さん)
団地が新たなまちづくりの拠点となる
現在入居している事業者の一つ、「一般社団法人 iHabu(アイハブ)」の浦川慶子(うらかわ・けいこ)さんも、そうした「魚の町団地コミュニティ」の在り方に共感した一人だ。
以前は自宅で助産院を営んでいたが、「無事に生まれて終わり」ではなく、地域に出て産後の母親たちと継続的に関わりながら子育てを支えたいという思いから、一般社団法人を立ち上げたという。
そんな折、偶然「魚ん町+」の見学会が開催されていることを知り、伊東さんと直接話す機会を得た。
「私がやりたいことをお伝えしたら、伊東さんも『すごくいいですね』と共感してくださいました。『iHabu』の活動と、この場所が目指していることには通じるものがあると感じ、入居を希望しました」(浦川さん)
現在、浦川さんは110号室で、シェア型書店「いっぽのたね」と「うおのまち助産院」を運営している。シェア型書店は箱型の棚を使い、誰もが自分の好きな本やアイテムを販売できる仕組みで、セルフカフェとしても利用できる。ふらりと立ち寄り、思い思いに過ごせる開かれた空間だ。
一方の助産院では、主に産後ケアを目的に、育児相談や短時間の赤ちゃん預かりを実施。夜間授乳などで十分な睡眠が取れない母親が、安心して休める時間を提供している。誰でも訪れやすい場と助産院を組み合わせることで、かつての地域子育ての風景を現代に重ね、新しい支え合いの形を模索している。


















