築77年「最古のRC公営団地」全国にわずか5棟、建物リノベでよみがえらせた長崎市「魚ん町+」

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

かつて“森”のように生い茂っていた外構の植栽も整理し、キッチンカーが滞在できるイベント広場を確保。「人が集まる仕掛け」を施しながらも、団地らしい佇まいはしっかりと残されている。古き良き景色を、クリエイティブな感性で守る姿勢が、この建物の不思議な居心地の良さを生み出している。

魚ん町+
外構部分はイベントスペースとして整備。マルシェイベントなどで多くの人が集まれる空間に(写真撮影/中川千代美)

なお、4階部分は県管理のフロアで、団地時代の部屋をそのまま残した“博物館的”な空間となっている。「48型」設計の特徴である台所横のダストシュートや、台所と食卓をつなぐ小さな窓「配膳窓」を見ることができるのは、非常に貴重だという。1950年代、70年代のインテリアを再現した部屋もあり、イベント時の見学ツアーなどで公開されている。

魚ん町+
423号室は「公営住宅48型保存部屋」。原型に近い間取りの部屋をそのまま残している(写真撮影/中川千代美)
魚ん町+
鴨居の高さが、現代の住宅よりもかなり低い。ここにも昭和を感じる(写真撮影/中川千代美)
魚ん町+
1970年代のインテリアをイメージした部屋。ツアーガイド時に見学できる(写真撮影/中川千代美)
魚ん町+
台所と座敷が完全に分かれており、配膳窓を通して料理を食卓に渡せるのが、「48型」ならではの設計(写真撮影/中川千代美)
魚ん町+
台所の流し台の右手には、ダストシュートも。扉を開けごみを投入すると1階のごみ置き場まで落ちていく画期的な仕組み(写真撮影/中川千代美)

入居者自身がリノベーションを行う

一方、入居者を募集している部屋も基本的に「昔のまま」の状態。街中の一等地という好立地ながら家賃が1階7万円、2階5万円(共益費込み)と抑えられている分、入居者自身がリノベーションを行うことが条件となっている。自由に空間をつくれるため、入居者それぞれのクリエイティビティが発揮されやすい環境だ。

入居者については、「ビジネスとしての利益よりも、地域や社会のためになる活動をしている人を応援したい」という思いがあるという。

次ページシェア型書店「いっぽのたね」と「うおのまち助産院」
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事