【産業天気図・ソフト/サービス】金融向け需要続き「晴れ」。通信関連は来期の成長力に期待

ソフト・サービス業界は活況が続いている。天気予測は、来2009年3月期前半まで安定的に「晴れ」。
 経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、情報サービス業界の7月の売上高は前年同月比6.8%伸び、今08年3月期初から4カ月連続でプラス成長となっている。牽引役は依然として金融需要。受注ソフトウエアの売上高は、金融業からの引き合い増加を主因に4.3%増加した。また、ゲームソフトも高い伸びを示しており、任天堂とソニーの次世代ゲーム機特需が継続しているようだ。
 業界主要企業の業績もおおむね好調だ。特に金融向けが強い企業は絶好調といってもよい。例えば、野村総合研究所<4307>は、今08年3月期第1四半期の段階で通期の業績予想を大幅に上方修正。成長ドライブは野村ホールディングスからのシステム需要と中国への開発委託による開発コスト抑制策で、会社計画の売上高営業利益率は14.8%と業界では極めて高い水準となっている。また、TIS<9751>や富士ソフト<9749>など前期不調だった中堅群も、今期は順調に業績を回復させている。
 通信を得意とする企業は、携帯電話基地局需要の一巡などで足元はまだ弱含むが、今下期からNTT主導のNGN(次世代IP網)の商用化需要が立ち上がることが期待される。このグループではたとえば、ネットワンシステムズ<7518>が今期で底打ちし、来期以降緩やかに業績回復させるとみている。
 ただ、業界にショックが走ったのは、ニイウス コー<2731>が前07年6月期、巨額赤字と債務超過に一挙転落したことだ。野村総研と日本IBMの合弁が前身の同社は、ハードからソフトに事業の軸足を移す途上だったが、注力していた医療機関向けサービス事業で顧客開拓に失敗し、同事業から撤退することになった。同社の経営・販売戦略のミスが招いた転落であることはもちろんだが、業界全体としてみれば、同社以外も開拓中である医療業界が厳しい市場であることが改めて浮き彫りになったといえる。
 「業界の活況はITバブル期以上」「受注動向からみると、あと2年は確実に稼げる」(いずれも業界関係者)という書き入れ時の業界だが、中期成長のためには、医療のような新規分野や、中堅・中小企業のIT投資意欲を刺激する「種まき」の努力が必要となっている。
【杉本 りうこ記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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