「故人の口座情報はスマホの中…」業者も白旗、遺族がパスワード不明で詰まないための"意外とアナログな工夫"

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5回連続ミス以降は「○分後/○時間後に試してください」といった案内が表示されて、しばらくは手出しできなくなるが、入力可能になるたびに試し、やがて初期設定時に表示される「こんにちは」画面が現れるに至った。

残念ながら、この状態になるともう手遅れだ。どこかにバックアップが保存されている可能性もあるが、それを見つけ出しても、復元作業に進むには「Appleアカウント」とそのパスワードの入力が欠かせない。遺影に使う写真も探したかったというが、デジタルが不得手なAさんはこの段階でスマホの調査を断念した。

頼る子や親族も近くにいない。Aさんの亡夫が所有するデジタル機器はスマホだけだったので、デジタルで残していた家族写真や散歩サークルの情報、あるいはコレクションなどはもう永遠に闇のなかだ。SNSやブログなどを利用していたかもしれないが、Aさんの様子から察するに、それらが見える化できる可能性はほとんどゼロに近いように思えた。

気づかれることもなく消滅するネット上の持ち物

見える化されないまま、インターネット上の持ち物が消滅する事例も増えている。

コロナ禍が社会の動きを止めていた頃、不慮の事故で映像クリエイターのBさんが亡くなった。Bさんは月額料金を払って大容量のクラウドサービスを利用しており、そこに自らの作品を保管していた。

しかし、遺族はクラウドサービスの契約に気づかないままBさんのクレジットカードを解約したため、やがて支払いの滞納が一定期間続いたことで強制退会させられてしまう。Bさんの作品がデジタル機器のなかには残っていないことに遺族が気づいたのは、その後のことだった。

クラウドサービス以外にも、定額でレンタルサーバーを借りて運営していたサイトが、管理人の死後に遺族に気づかれることなく支払い滞納で閉鎖に至るケースも珍しくない。無料で利用できるブログやホームページも、そのサービス自体の事業撤退によって一瞬で大量のアカウントと投稿が姿を消すこともよくある話だ。

2019年3月末に撤退した無料ホームページサービス「Yahoo! ジオシティーズ」は、半年前から終了のアナウンスを発していたが、終了間際でもおよそ400万件のサイトを抱えていて、それらが一瞬にして消滅した。

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