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「電動推進機を採用した実験艇E-Watatsumi」クルマやバイクだけじゃない船も電動化の波、ヤマハのマルチパスウェイ戦略

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1つ目はシステムサプライヤーの思想をさらに発展させ、ボートの「頭脳」としての役割を担うことでボート全体の制御を目指すというアプローチである。2つ目はDXやビッグデータを活用し、マリンエコシステム全体へと事業を拡大していくというアプローチだ。

そんなヤマハ発動機がボートショーで展示していたハード、ソフト、用品、サービスなど多くの出展物の中で、いかにもヤマハらしい船を見かけたのでお届けする。

ヤマハのマルチパスウェイ戦略

後ろから見た実験艇「E-Watatsumi」(写真:筆者撮影)

エンジン付きの船では走れない水面がある――。

そう聞いて驚くかもしれないが、環境規制がきびしいヨーロッパのスイスなどでは、すでにそれが現実となっている。自動車の世界で電動化の流れが揺れ動いている今も、環境意識は依然として高く、船の世界も静かに、しかし確実にカーボン・ニュートラルの実現へと動きつつある。

そんな時代の要請に応えるべく、ヤマハ発動機は、マルチパスウェイ戦略で取り組んでいるが、電動化ももちろんそのひとつ。そのための実験艇が「E-Watatsumi」。電動推進機(モーター+プロペラ)を搭載したカタマラン(2つの船体を並べて繋いだ双胴船)だ。

E-Watatsumiの船内(写真:筆者撮影)

会場でE-Watatsumiを目にした人の多くが、まず「本当に動くの?」と思ったに違いない。それほどこの船は、実験艇らしくない。流麗な船体、洗練されたキャビン(船室)内部、デザインされたステアリングまわり。さらに、グループ会社のヤマハ製大型スピーカーの設置を想定した専用台まで備えられている。

じつはこのデザイン、当初からヤマハのバイクで数々の名車を生み出してきたGKデザイングループのひとつ「GK京都」が手がけたものだ。「将来、富裕層に向けた製品になる」という前提のもと、最初から「どう使われるか」「どんな形が求められるか」まで考え抜いたうえで実験をスタートしたという。見た目を手抜きしない、きっちりとデザインしたもので実験を行っているのが、いかにもヤマハらしい。

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【E-Watatsumiの革新的な技術】

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