日産、新型「リーフ」発売直後にバッテリー出火でリコール⋯経営再建を託した世界戦略車の船出に早くも暗雲

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発売から2カ月余りで、リコールを開始した日産のEV「リーフ」。写真は2025年10月のジャパンモビリティショーで展示されたリーフ(撮影:尾形文繁)

1月15日に発売したばかりの日産自動車のEV(電気自動車)「リーフ」が、3月27日にリコールを開始した。

原因は、リーフに搭載される高電圧バッテリーの不具合。セルに使用される電極板の製造工程が不適切で、モジュールに電極板の破片が付着。充電を繰り返すことでモジュール内部でショートが発生し、バッテリー異常の警告が表示される場合がある。最悪の場合、バッテリーが異常発熱し火災に至るおそれがある。

日産によれば、ディーラーが保有するリーフのB7グレード(78kWhのバッテリー容量)で、実際に火災事故が1件発生した。またバッテリー異常の警告も1件発生し、国土交通省に報告されている。ただ、バッテリーが火災の原因かどうかは現在、消防や警察が調査中で、「予防的措置としてリコールを実施する」(日産)としている。対象は、2025年12月1日から26年3月7日までに製造されたうちの171台。

かつては火災無事故を訴求していたが⋯

初代リーフは10年の投入以来、10年以上もの間、電池に起因する火災事故を起こしていないことをアピールしていた。ただ、19-20年モデルイヤーのリーフに関して、電池火災の報告がアメリカで9件確認され、24年9月に現地当局へリコールの届けを提出した経緯がある。それ以来、こうしたアピールを控えるようになった。

国内では過去に数件、リーフの火災事故があったが、事故の背景には水没車や喫煙など特殊な状況があった。バッテリーが原因と特定されれば、リーフでは国内初の案件となる。

新型リーフに搭載されるバッテリーは、日産が出資するAESC(中国のエンビジョングループ傘下)が生産・供給する。24年7月に稼働を開始した最新鋭の茨城工場で生産するが、生産設備の問題で歩留まりが悪化し、昨年秋に生産計画を大幅に引き下げた経緯がある。25年12月に稼働したイギリスのサンダーランド第2工場でもバッテリーの生産に問題が生じており、欧州市場でのリーフ発売時期を日産は発表できていない。

10年に世界初の量産型EVとして投入されたリーフは、日産を象徴する車種の1つ。近年業績が悪化している日産は、経営再建に向けた世界戦略車の第1弾として新型リーフを欧米日の主要市場で拡販する計画だったが、その立ち上げには産みの苦しみが続いている。

日産はなぜ苦境に陥っているのか?その詳細については、日産、シェア1割を切った国内販売。栃木や英サンダーランド工場は稼働率が低迷⋯経営陣が口を閉ざす巨額減損の爆弾とは?をご覧ください。
秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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