中学生がピザを食べて病院搬送…実は恐ろしい「急性塩中毒」の正体。高血圧だけじゃなかった塩の摂りすぎの問題とは【医師が解説】
日々、患者さんを見ている医師として経験する、高ナトリウム血症の主な原因は、適切な水分補給ができていないことによる脱水です。塩が体に残り水だけが足りなくなるため、体内の塩分濃度が高くなるのです。
ただし、今回の報道されたような「短時間での大量の塩分摂取」による急性塩中毒は稀です。
■塩中毒(急性塩中毒)のリスク
では、塩中毒とはどんな状態をいうのでしょうか。
塩中毒(急性塩中毒)とは、大量の塩を一度に摂取したことで起こる急性の体調不良をいいます。詳しくはあとで述べますが、命にも関わる極めて危険な状態です。
致死量の目安は、子どもでは小さじ5杯(約30g)未満、成人では大さじ4杯(約72g)未満です。
通常、これほどの量を口にすることはありませんが、以下のような誤った知識や不慮の事故では起こり得ます。報道によると、今回の問題では「塩3つまみ」の意味が誤っていたようで、不慮の事故といえます。
• しょうゆの大量飲用: 罰ゲームや、強いストレス下での極端な行動(一般的なしょうゆ200mLには約36gの食塩が含まれる)
過剰塩分と脳ダメージの関係
私たちの脳は、頭蓋骨という「容積の決まった固定された箱」の中に収まっています。
高ナトリウム状態では、脳細胞の中の水が外に吸い出され、細胞が急激に収縮します。すると、脳の組織と頭蓋骨の間に隙間ができ、そこを走る血管が強く引っ張られる「剪断(せんだん)力」が加わります。その結果、血管が破綻し、頭蓋内出血や深刻な神経損傷を引き起こすのです。
塩中毒の主な症状は医科の通りです。
初期症状: 激しい吐き気、嘔吐、腹痛、下痢
神経症状: 無気力、衰弱、過敏、興奮
重症化: けいれん、昏睡、呼吸停止、死亡
急性の塩中毒では、発症してから24時間以内に迅速にナトリウム濃度を低下させることが救命のカギとなります。医療機関では頻回に血液検査を行いつつ、点滴による慎重な管理が行われます。
自己判断で大量の水を飲ませることは、後述する別のリスク(脳浮腫)を招くため、疑わしい場合は一刻も早く救急外来を受診してください。


















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