中学生がピザを食べて病院搬送…実は恐ろしい「急性塩中毒」の正体。高血圧だけじゃなかった塩の摂りすぎの問題とは【医師が解説】

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ここでは、最新の知見に基づき、知っているようで知らないナトリウムの濃度バランスの最適解と、命に直結する管理の重要性をできるだけわかりやすく解説したいと思います。

■ナトリウムの役割

体内にある水分、つまり体液は細胞の中と外に存在していて、その濃度は一定に保たれています。そうでなければ、浸透圧の関係で細胞が壊れたり、機能が失われたりしてしまうからです。 また、細胞の中と外の体液の濃度が一定に保たれていることで、さまざまな電解質が細胞の内外を出入りでき、細胞の機能が調節されているのです。

ミネラルの1つであるナトリウムは、主に細胞の外に存在している電解質で、その役割は主に2つあります。

1つめは、浸透圧の調整です。細胞の中と外で水の移動をコントロールし、適切な体液量、体液濃度を維持します。

もう1つは、神経と筋肉の機能を正常に保つというものです。ナトリウムイオンが細胞の内外を出入りすることで、電位が変わります。それにより神経から神経へと情報の伝達が行われたり、心臓(心臓は心筋という筋肉でできています)を含む筋肉が収縮・弛緩するための電気信号となったりしているのです。

汗をかいたら塩が必要な理由

激しい運動や、暑い時期の外出時には、多くの汗をかきます。このとき、私たちの体からは水分とともにナトリウムも排出されます。

この際、水分だけを大量に摂取すると、体内のナトリウム濃度が急激に薄まり、脳の機能に支障をきたすおそれがあります(これについて詳しくは後述します)。スポーツドリンクや経口補水液に電解質(塩分)が含まれているのは、このナトリウム濃度の低下を防いで、生命維持に必要なバランスを保つためなのです。

また、生理食塩水という言葉を聞いたことがある人もいると思いますが、この生理食塩水のナトリウム濃度が、まさに体液(血液)と同じになっています。

■高ナトリウム血症とは?

血液中のナトリウムの濃度が異常に上昇する状態(体液中に塩分が過剰にある状態)を「高ナトリウム血症」と呼びます。

この状態になると、細胞の外の浸透圧が上がるため、細胞の中から外へと水分が強烈に引き出されます。いわば“細胞が乾燥して縮んだ”状態です。漬物を想像するとわかりやすいですね。スライスしたキュウリに塩をかけてしばらくすると、水が出てきてキュウリはシナシナになります。それと同じ仕組みです。

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