「中日新聞プラス」で新聞離れを防止できるか 中日新聞社がデジタルサービスをスタート

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現在、新聞社が進めている電子版への取り組みを俯瞰すると、およそ2種類に大別できる。先行していたのが「電子新聞型」だ。電子新聞単独で読む場合に、日経の場合は月額4000円、朝日の場合は月額3800円と高額に設定。紙との併読の場合には日経、朝日とも「新聞購読代金プラス1000円」と安くすることで、紙との併読を推奨するモデルだ。

日経新聞は、今年4月に会員数が135万を突破(有料会員数は20万)しており、一定の成功を収めている。が、想定よりも電子新聞単独購読の比率が多いという。一方の朝日新聞は会員数を非公表。5月21日からは1周年を機に、1日3本まで無料で記事を読める無料会員サービスを新たに始めたことから分かるように、有料会員数獲得には苦戦している。

これに対し新たに登場したのが「付加サービス型」だ。読売新聞社が5月14日に開始したばかりの「読売プレミアム」(月額157円、10月31日までは無料)がその代表選手で、「中日新聞プラス」もこのカテゴリに入る。「新聞を読むとこんなにオトクだよ」ということを示すことで読者の新聞離れを防止するモデルともいえる。

果たして、どちらのビジネスモデルが、“生き残りへの道”と繋がっているのだろうか。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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