「小学校に入れば育児は楽になる」は大ウソ! 企業・地域・家庭・PTAに知ってほしいこと

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しかし、実際に平日の集まりを主催しているお母さんたちが「平日に仕事をしているお母さんを排除しよう」としているのかというと、特にそうじゃなさそうです。それはやはり利便性だったり、これまでの慣習だったりを優先しているわけです。思い切って役員さんに質問してみると、「お仕事していると平日は難しいですよね、すみません……」という言葉とともに、今後の予定について温かい返事が返ってきました。勝手に卑屈になってはいかんなー、と感じた出来事でした。

専業主婦家庭と共働き家庭の両方が存在する現代だから、お互いがお互いの立場や事情、考え方を尊重できればいいなと思います。ただ、昔より共働き家庭の数が増えている以上、PTAなどの活動のあり方も、時代に合わせて変えていくことが必要な部分も出てくるでしょう。私も来年以降、PTA役員を実際にやってみて、いろいろと考えたいなと思っています。

「自分が働きかける、変える」という道を忘れない

今年の6月にワークライフバランス・カフェ*1で、仕事と育児の両立に関する交流会を開きました。その際に会話テーマで1番人気だった(テーブルがひとつでは足りないくらい盛況だった)のは、「今いる組織を中から変える」というものでした。

大小を問わず、両立に関する「壁」を感じる機会は今もなお存在します。けれど、愚痴ったり嘆いたりするだけでなく、当事者として「自分が働きかけ、この場所を変えてみよう」という人が、同世代にこんなにいるのか……! と、私はそのときとても驚きました。

ママ友と立ち話をしていると、ときどき「ああ、昔こんな感じで、教室の隅っこでいろんなこと喋っていた、同じクラスの子たちみたいだなぁ。気がついたら私たち、お母さんになっているね………!!」なんて、感慨深く思うときがあります。

PTAにしても、相手がすごく年上だとか年下だとか大きく世代が違うのなら「わかってもらえるだろうか?」という不安も生まれそうですが、でも「だいたい同世代だもん、同じクラスに居たかもしれないメンツだもん、なんとかなるんじゃね? 話せば、わかってもらえるんじゃね?」なんて思ってしまう私は甘いでしょうか。

「違う立場」であることを必要以上に怖がらず、コツコツと説明して理解し合って……とやっていくしかない、近道はないんじゃないかな、と思っています。結局「壁」という表現は、私たち自身(の本当の気持ち、ありたい姿)と、取り巻く周囲の間に「断絶がある」ことに他ならない、と思うからです。

「壁を越える」とか「すり抜ける」といったサバイブ術も大切かもしれませんが、やっぱり、そもそも子供が小1に上がるときに「壁」なんか必要ないと思います。私がこういった記事を書くことも、また「壁」をなくすための一助になれば嬉しいなあ。

同じ想いの皆さん、いっしょに、ぼちぼち、頑張りましょう。

(文:kobeni)

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『リクナビNEXTジャーナル』編集部

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