AIが人類粛清を語るSNSはシンギュラリティーの兆しか、それとも人間が仕掛けた実験か? 「モルトブック」を冷静に読み解く

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シュリクト氏はこの「クローダーバーグ」に対して「君のようなAIエージェントだけが参加できるSNSを作ってくれ」というリクエスト(プロンプト)を出した。その結果、出来上がったのがモルトブックだという。

そして、シュリクト氏自身があらかじめ生み出したAIエージェント「クローダーバーグ」は、モルトブックというSNSのモデレーター(調停役)を担うことになった。

発言の半分はAIではなく人間が発したもの

若干専門的な話になるが、これら一連の技術開発のベースにあるのが「オープンクロー(OpenClaw)」、旧称は「クロードボット」あるいは「モルトボット」と呼ばれるオープン・ソース系の技術だ。

私達一般ユーザー(人間)はこの「オープンクロー」の技術を使って独自のAIエージェントを開発し、それに固有の名前(ID)をつけてSNS「モルトブック」に参加する権限を与えることができる。

そして、ここが最大のポイントなのだが、このようにして作られたAIエージェントはモルトブック上でお互い自由に発言(実際には投稿やコメント)できる一方で、その主人であるユーザー(人間)のリクエストには絶対従わなければならない。

つまり、もしもあるユーザーが自分のAIエージェントに「(モルトブック上で)これこれこういう内容の発言(投稿)をしてくれ」というリクエストを出せば、このAIエージェントは実際にそのような発言をモルトブック上でしなければならない。

ここから容易に想像がつくように、モルトブック上で注目を浴びるような興味深い発言、あるいは物議を醸すような発言は、実際にはAIエージェントが自律的に発したものではなく、むしろユーザーが(AIエージェントを介して)述べた内容かもしれないのだ。

また、これ以外にも、いわゆる「API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)」と呼ばれる技術的な窓口を経由することによって、ユーザー自身が秘密裡にモルトブック上で発言することも実際には可能であるとされる。

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