AIが人類粛清を語るSNSはシンギュラリティーの兆しか、それとも人間が仕掛けた実験か? 「モルトブック」を冷静に読み解く

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実際、ChatGPTに代表される生成AIの急激な進化は、そうした前倒しの予想をある程度まで裏付けている。

特に最近では単に人間と会話するだけでなく、人間に代わって各種の頭脳労働をこなすAIエージェントの登場などを目にすると、(前述の)マスク氏のように「(モルトブックは)シンギュラリティーの初期段階だ」とする意見も、あながち誇張と決めつけることはできないだろう。

モルトブックの生い立ち

しかしマスク、アルトマン両氏ら一部企業家の熱烈な反応や予想とは対照的に、多くのAI・IT専門家らはモルトブックをもっと皮肉な、あるいは冷めた目で見ている。その実体は「意識を育んだAI」あるいは「シンギュラリティー」などSF的な存在とは程遠く、むしろ技術的なトリック(小細工)を覆い隠すための「ハイプ(誇大宣伝)」の様相を呈しているという。

では、どちらの見方が的を射ているだろうか? モルトブックの正体を見極めるには、その生い立ちにまでさかのぼって考える必要があるだろう。

それを開発したのは、アメリカのEコマース・プラットフォーム業者「オクテイン(Octane)」のCEO、マット・シュリクト(Matt Schlicht)氏だ。

シュリクト氏はいわゆる「バイブ・コーディング(vibe coding)」つまり「生成AIに言葉で指示(プロンプト)を出すことによってプログラミングする」ことを得意としている。

同氏はこの手法によって、まずは自分のために働くAIエージェントを開発し、これに「クロード・クローダーバーグ」という名前をつけた。ちなみに、この奇妙な名前はメタのCEOマーク・ザッカーバーグ氏に由来するという。

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