「延命治療を拒否した母」「自宅で意識がなくなっていき…」 それでも"最期の3日間"が笑顔だったワケ

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「もう決めたの。今さら何がどうということでもないし、入院することがすべて和解につながるの。孫たちにもそれぞれに言葉を残してあげた。尚子さんにも『すてきな息子を残してくれてありがとう』と言われたの。本当に嬉しかったわ」

節子さんは、入院するとはっきり言うようになった。その決断が看護師からカンファレンスで報告され、もう入院の話はよそうということになった。

「本当に入院希望なのですか?」と毎回看護師に聞かれて、意固地にさせているとしたらそれもよくない。

尚子さんが緩和ケア病棟に面談に行き、週が明けた月曜日の入院許可をもらってくる。節子さんが自宅で過ごすのは、あと3日間となった。

「最後はお義母さんが望むところで過ごしてもらいたいと思います。お義母さんの意思を尊重、優先してあげたい」

尚子さんと節子さんは、そんな会話を交わしていた。

危篤という雰囲気は、まるで感じられない

土曜日の明け方、尚子さんから、節子さんが苦しがっていると京田看護師に緊急の要請があった。節子さんは呼吸状態がさらに低下。発熱して意識障害も出ていた。

「トイレはもう行けないと思います。会話もやっとできるかどうかでしょう。土日で会わせたい人には声をかけておいたほうがよさそうな状態です」

京田看護師は実家に泊まり込んでいる靖人さん夫婦に『看取りのパンフレット』を渡して、これから節子さんに起こる体の変化を説明した。

このパンフレッ卜は亡くなる1週間前くらいから呼吸が止まるまでの体の変化を図やイラスト入りでわかりやすく説明している。常時看護師が携帯しており、タイミングを見て看護師の判断で家族に渡される。

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