なぜ福岡市に世界の"旅する起業家"が集うのか 長期滞在の「デジタルノマド」 経済効果とお金以上の価値
同市は23年から毎年10月の1カ月間、地域と交流しながらビジネスやライフスタイルを共創する滞在型プログラム「Colive Fukuoka(コリブ・フクオカ)」を開催、デジタルノマドを積極的に誘致している。
昨年初めて参加したエイドリアンさん、そこでの出会いを契機に新しいビジネスへと動き出したのだ。
なぜ、福岡市はデジタルノマド誘致に力を入れるのか。同市観光産業課課長の原口智雄さんは、「きっかけはコロナ禍だった」と話す。
「観光客が減少する中、仕事と休暇を組み合わせた新しいライフスタイル『ワーケーション』を国内で推進し、宿泊需要を回復していこうと考えたのがそもそもの始まりでした。
そんな中で次に着目したのが、長期滞在で福岡市内での観光消費額が見込めるデジタルノマドという存在。彼らにターゲットを絞って誘客していこうと、令和5年度から取り組み始めたんです」
デジタルノマド × スタートアップ
その年の10月に開催した「Colive Fukuoka」には、1カ月で23の国と地域から49人のデジタルノマドが福岡市を訪れた。
そして昨年開催した3回目は57の国と地域から496人。リピーターも多く、規模は拡大。「『デジタルノマド受け入れの福岡市』という認知度は高まっている」と原口さんは手ごたえを語る。
「コワーキングスペースなどのビジネス環境が豊富なことや公共交通機関が充実していること。
コンパクトシティであり、空港や博多などの都心部から少し足を延ばせば風光明媚な自然が楽しめる観光の魅力もあることが、誘致の強みの一つだと考えています」
一方で福岡市と言えば、2012年に「スタートアップ都市宣言」を行うなど、スタートアップ企業の設立も促進してきた。この姿勢とデジタルノマド誘致には、相乗効果が期待できるのだと言う。

















