478万回超再生で歴代1位に!《日曜劇場『リブート』》ネットが熱狂するその実力と、抱いた"1つの懸念"

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そうそう、1つだけ心配な点について。

黒岩勉がヒットメーカーかつ、本ドラマのような家族愛も描けるからといって、朝ドラ(連続テレビ小説)の脚本に抜擢しようとしているプロデューサーがいたら、ちょっと待ってほしい。

なぜなら、基本、パターンに沿って話を進め、結末から逆算しながら、辻褄が合わなくなったら勢いで進めて、翌週にリセット(リブート)してしまうようなスタイルを得意とする作家だから。

黒岩は構造を重視する作家で、成功パターンをなぞる天才だ。1話完結の全10話のスタイル、あるいは2時間ものの映画と、繊細な描写を視聴者が期待する朝ドラはまったく別ものなのだと思う(本人、まったくやる気がないかもしれないので余計なお世話だが)。

心理サスペンスが得意だから、大河ドラマなどは向いているかもしれない(ほんとうに余計なお世話だが)。

リブート
鈴木亮平、北村有起哉とプレミアトークイベントに出席した脚本の黒岩勉(写真右)。「入れ替わり」というコンセプトは黒岩の発案だったと明かした(写真:TBS公式サイトより)

ドラマを彩る「もう1人の名優」

『リブート』で評価したいのは、やはり、松山ケンイチと鈴木亮平。

斜に構えた役が得意な松山と、実直な役が得意な鈴木とでは役的には被らないながら、その役を徹底的に追求し、鋳型を作ってそこに心を注ぎ、1 人の人間を作りあげていく。

その真摯な演技によって、松山ケンイチから鈴木亮平に変化していく場面や、鈴木亮平の表情に松山ケンイチが宿る瞬間など、じつにおもしろい場面が生まれた。

そういう役者がもう1人、『リブート』にはいる。合六を演じる北村有起哉だ。

闇の組織のボスとしての威厳を、姿勢のよさで見せる。合六は料理上手で、最後の晩餐のようなガーリックライスやオマール海老を調理する手際の端正さが、この役の得体のしれない怖さを感じさせる。

リブート
北村演じる合六が裏切り者に制裁を加える際、「まあ、うまいもんでも食べてください」と調理した食事を出すのが怖い(写真:TBS公式サイトより)

ラスボスがいそうにも思えるが、本ドラマは鈴木亮平、松山ケンイチ、北村有起哉の名優の競演だけ見ていても楽しめる。

木俣 冬 コラムニスト

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きまた ふゆ / Fuyu Kimata

東京都生まれ。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。

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