"ラン活"過熱の時代に「モンベル」を選んだ我が家。周囲の反応が映し出した「日本社会の硬直化」。使って3年、実際はどうだった?

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ほかにも、「お子さんが、ランドセルが原因でからかわれて嫌な思いをすることになりませんか」という声もあった。

正直なところ、私はそれも一つの経験として、別に悪いことではないと思っている。人と違うものを持つことで、からかわれるかもしれない。しかし、先回りしてからかいのネタを排除するより、「違い」をからかう人と出会ったときに我が子がどう乗り切るのか、そのサポートをしてやりたい。

転ばないようにと先回りして石を取り除くことが、必ずしも良い子育てだとは思わない。子どもは、私たちが思うほど無力でも無知でもない。そういった経験があるほうが子どもを成長させていくと思う。

さらに言うなら大人になって振り返ったとき、子ども時代の「人と同じであること」にどれほどの価値があっただろうか。むしろ、持ち物1つで「同じじゃない」ことに過敏になる子どもたちのほうが少し心配になる。

ちなみに、入学前にはネガティブな反応も寄せられた次男のわんパックだが、約3年が経った今も問題もなく使い続けている。

心配されていたお友だちの反応も、拍子抜けするほど何もなかった。カラフルなランドセルが当たり前になった今の子どもたちは、他人の持ち物に、大人が思うほど関心を払っていないのである。

結局のところ、あのとき飛んできた心配や忠告の多くは、大人の想像力や価値観の産物だったのだ。

「たかがランドセル…」だけれど

今回のランドセルの一件は、目的や個人の意志よりも形式を優先し、周りや前例から外れないことを安心としてきた日本社会のあり方を、身近な形で浮かび上がらせた出来事だと思った。

たかがランドセル、されどランドセルである。

しかしそういった日常の小さな選択の中に、私たちがどんな社会を生き、どんな価値観を次の世代に手渡そうとしているのかが、静かに映し出されているのではないか。

ランドセルは、子どもが背負うもの。でも、その重さを決めているのは、大人の側なのかもしれない。

鳴門市が無償配布しているわんパック
徳島県鳴門市では、児童の身体負担と保護者の経済負担軽減のため、小1になる児童がいる世帯のうち希望者全員に「わんパック」を無償配布している(画像:鳴門市役所プレスリリースより)
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尾石 晴 Voicyパーソナリティ

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おいし はる / Haru Oishi

音声メディアVoicy「学びの引き出しはるラジオ」でパーソナリティーを務める。

大学卒業後(心理学専攻)、外資系メーカーに16年勤務。転勤5回、管理職の経験あり。2020年に退職し、独立。2年間のサバティカルタイムを経て、現在は大学院博士課程(感性学)に在籍中。

(株)ポスパムの代表として、オンライン・スタジオヨガ「ポスパム」と、母と子のシェアコスメ「soin(ソワン)」の運営も行っている。

著書に『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「やりたいこと」が次々見つかる! 自分らしく生きている人の学びの引き出し術』(KADOKAWA)など。

2013年、2016年生まれの男児2人の母。

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