"ラン活"過熱の時代に「モンベル」を選んだ我が家。周囲の反応が映し出した「日本社会の硬直化」。使って3年、実際はどうだった?
そんな折、目に留まったのが、アウトドアメーカーのmont-bell(モンベル)が手がけた“ランドセル型リュック”だった。「わんパック」という商品名である。山登りを趣味とする夫が、「これがいいんじゃない」と提案してきた。
価格は1万円台。鞄自体が軽く機能的、いわゆるランドセルと言えばこれ!の形状であるカブセと呼ばれる、ランドセルを覆う蓋の部分がなく、開け閉めはチャック式だった。ランドセルの形状そのものの前提を問い直すような商品。何より次男が色とデザインを気に入った。
ところが、この選択に対する周囲の反応が私にとっては予想外のものであった。まさに日本社会の縮図だなと感じることがあった。
我が家のランドセルは「mont-bellのわんパックにしたよ」とママ友たちに話すと、「あ、それ、価格が安いやつだよね」「1人だけ違うと、いじめの対象になるかもしれないから気をつけて」といった反応をされて、本当にびっくりしたのだ。
ランドセルが違うことを心配してくれているのはわかる。しかし、その言葉の奥には「安いものは劣っている」「みんなと同じでないのは危険」という価値観が透けて見えた。そして、現実には言わないだけで「そう」思ってる人がたくさんいるんだろうと気づかされた。
SNSで寄せられた反応
さらに、私がSNSで購入したわんパックについて発信すると、全体としては肯定的な反応が多かったものの、いくつか気になる意見も目に入った。
その1つが、「黄色いランドセルカバーがつけられないのではないか」という声だった。黄色いランドセルカバーは、交通安全協会が配布している入学準備品の1つで、地域によっては1年生が登下校時に身につけている。目的は明確で子どもを目立たせ交通事故を防ぐことにある。
ただし、これは全国一律のルールではなく強制でもない。実際、つけている地域もあれば、つけていない地域もある。我が家の長男も、1年生のときにこのカバーをつけてはいなかった。
重要なのは、黄色いランドセルカバーではなく「子どもが登下校時に安全に過ごせるよう目立たせること」だ。その目的を考えれば、黄色い帽子や別の目印など、他の方法で代替することも可能となる。実際、地域によってはカバーではなく、1年生は黄色い帽子をかぶっている例もある。
それにもかかわらず、黄色いカバーがつけられないから、従来型のランドセルを選ばなければならないと考える人がいる。私はこの思考に違和感を覚えた。本来の目的ではなく、「これまでそうしてきた形」に合わせることが優先されてしまっているからだ。
目的より形式が先に立ち、形式に合わない選択肢は最初から排除される。こうした思考は、ランドセルに限らず、さまざまな場面で見られる日本社会の硬直化を象徴しているように思えた。


















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