譲り受けた翌日起こった悲劇…善意に付け込む犬猫の「無償譲渡」の"知られざる実態"――ペットジャーナリストが明かす悪徳手口と3つの対策
ある夫婦が無償譲渡の子犬について、掲載先の「ジモティー」に問い合わせしたところ、先方の女性から費用請求を受けました。その内訳は、ワクチン接種、健康診断、眼底検査、エコー検査、検便、耳垢検査の費用として、5万円。
夫婦は疑問に感じたものの、健康チェックのためなら、と振り込みました。そして、指定されたコンビニの駐車場で待ち合わせ、子犬を引き取りました。
その際に渡されたのが、病院名が記載されたワクチン証明書。それから、引き渡し前日の日付と、肝臓、腎臓の健康状態について「正常」と明記された検査報告書でした。ただ、報告書には病院名も獣医師の名前も記載されていませんでした。
悲劇はすぐに訪れました。
家に連れて帰った子犬は、フードも食べず、ミルクも飲みません。肺の中に水が入った音がするなど、明らかに健康状態がおかしいのです。翌日、動物病院の診察を受けたものの、重度の肺炎を起こしていて、その日のうちに息を引き取りました。
筆者も多くの子犬や子猫を育てた経験がありますが、ミルクなどの誤嚥(ごえん)で肺炎になるケースはあるものの、譲渡後に飲食していない子犬が、このような重度の肺炎が起こるとは考えにくい。引き渡し時には、既に発症していた可能性が高いと考えるのが妥当です。
「検査報告書」を自作する悪質性
では、健康状態について「正常」と書かれていた検査報告書は何だったのでしょうか。
のちにこの女性は、「病院ではなく、自分で検査した」という耳を疑うような発言をしています。
それほど重度の肺炎なら、獣医師が聴診器で肺の音を聞けばわかったはずです。この女性が早い段階で子犬を動物病院へ連れていけば、尊い命が失われずにすんだことでしょう。そして、新しい飼い主となった夫婦を悲しませることもなかったでしょう。
通常、動物病院で検査などを行った場合には、検査項目(どんな方法で行われた検査かも含む)、検査結果、検査日、病院名や獣医師の名前が記載され、捺印もされます。肝臓や腎臓の検査も項目は多岐にわたり、単に「正常」という大雑把な報告書になることはあり得ません。
無償譲渡をうたいながら、虚偽の情報で不当な利益を得ようとする行為は、詐欺罪などに問われるおそれがあります。また、無登録営業として動物愛護法違反に問われる可能性も否めません。


















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