昨年の首班指名や補正予算案審議では、野党の協力を求めざるをえなかった。宿願の国旗損壊罪創設は、反対する野党が法務委員長を務めるために諦めざるをえなかった。高市首相の口から少数与党のつらさが次々と語られたが、衆院選の大きな争点である「食料品に対する2年間の消費税ゼロ」についての発言はなかった。
もっとも「食料品に対する2年間の消費税ゼロ」は昨年10月に自民党と維新とで交わされた合意文書に含まれており、その直前に演説した吉村代表は「高市首相のアクセル役になる」と意気込んだばかり。スタートして3カ月の自維連立は、いまだ同床異夢なのかもしれない。
一方で、秋葉原での第一声には維新への配慮もにじんでいる。維新は関西を拠点とするうえ、衆院の解散・総選挙に合わせて吉村氏自身がぶち上げた大阪府知事選と大阪市長選の真っ最中。吉村氏は演説会を終えた後、兵庫2区に出馬している阿部圭史氏を応援するため新幹線に飛び乗り、神戸に向かっている。秋葉原は東京駅に近く、帰阪を急いでいた吉村氏にはうってつけの演説場所だった。
「公明優先」批判に苦慮する新党・中道
結党して5日目の中道改革連合は、野田佳彦共同代表が雪の積もる青森で第一声を発し、斉藤鉄夫共同代表はかつて「常勝関西」と言われた大阪で有権者に支持を訴えた。
比例の上位を公明系が占めたため、立憲系の一部から不満の声も漏れ聞こえたが、斉藤共同代表はもとより、公明党の竹谷とし子代表や西田実仁幹事長も積極的に中道改革連合が候補を擁立している小選挙区の応援に入っている。
例えば、創価学会の牙城である八王子市をほぼカバーし、公明党との関係が深い自民党の萩生田光一幹事長代行の地元である東京24区で、西田氏は公示日に中道改革連合の細貝悠氏の応援演説を行った。
自民党の萩生田氏は03年の衆院選で初当選して以来、同選挙区で10万票以上を獲得してきたが、前回の衆院選では「裏金問題」で自民党の公認を得られず、得票数は7万9216票と激減。立憲民主党の有田芳生氏に7533票差まで迫られた。それでも勝利できたのは、創価学会との関係から創価票の一部が回ったためとされるが、今回は大きく期待できそうにない。
その公明党が最も力を入れるのは、6つの小選挙区から撤退した比例代表近畿ブロックだ。同ブロックでは中道改革連合は6~7議席を獲得するとみられるが、公明系の5人が上位を占める。24年の衆院選で落選後、ユーチューバーとして公明党サブチャンネルなどでブレークした伊佐進一氏も、「公明系の顔」として大阪や京都でマイクを握り、イメージアップに努めている。


















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