「この脚本がコンクールに応募されたら、真っ先に落ちる」…『果てしなきスカーレット』はなぜ感情移入できぬ作品に?プロに解説してもらった

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「この脚本がコンクールに応募されたら、真っ先に落ちると思う」などの忖度のないレビューが繰り広げられた前編に続き、アニメや舞台にかかわる現役脚本家たち複数名から話を聞いた。

映像・音楽のクオリティが高いからこそ、脚本の“惜しさ”が目立つ

『果てしなきスカーレット』は、主人公・スカーレットが王である父を無実の罪で処刑した叔父・クローディアスに「復讐」を遂げるための物語だ。

しかし、スカーレットは本懐である復讐を遂げる前にクローディアスに殺されてしまい、死者の国をさまようシーンから物語は始まる。復讐もできず何のために生きていたのかと絶望するスカーレットだったが、「実は死者の国にいる」というクローディアスに今度こそ復讐するために歩き出す──というストーリーだ。

『果てしなきスカーレット』への感想の中には「キャラクターへ感情移入できなかった」というコメントも多い。スカーレットだけでなく、聖やクローディアスなどのキャラクターの心理描写がわかりづらく、観客は突然言動が変わったように唐突な印象を受けるのだろう。

どんな作品でも、キャラクターに感情移入できるからこそ好きになるし、応援したくなるもの。しかし、肝心の主人公にすら感情移入できないことは、観客が作品を楽しむための大きな壁として立ちふさがったのだろう。

さらに、筆者が話を聞いた脚本家たちによれば、本来高く評価されるべき映像・音楽のクオリティが高いからこそ、脚本の“惜しさ”が目立ってしまっているという。

アニメや舞台などで活動する脚本家A氏は、「少なくとも、主人公であるスカーレットに感情移入させる方法はたくさんあったのではないか」と語る。

「たとえば、スカーレットがクローディアスに復讐する行動原理について。復讐に対する前振りを序盤に少し追加するだけで、グッと感情移入しやすくなると思うんです。例えばこんな感じです。

民から受け入れられていたスカーレットだが、復讐に関しては懐疑的だった。しかし、復讐をしなければ民が黙っていない状況に悩まされていた

復讐をひたすら止められていたが、それでも復讐に駆り立てられていた

こういったシーンを数秒追加するだけでも、スカーレットの行動原理がグッと理解しやすくなるはずです」

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