「果てしなきスカーレット」の沈没と「ズートピア2」の大ヒット 日米でアニメに求められる"決定的な違い"
『果てしなきスカーレット』が興行面、反応面で期待に見合わなかったことが、日本で話題になっている。記事やソーシャルメディアに目を通すと、ストーリーやテーマの弱さへの指摘、CGを使った映像や声のキャストへのコメント、果ては細田守監督のフィルモグラフィーを振り返っての感想など、実にいろいろな意見がある。
同じ週末、アメリカではディズニーの『ズートピア2』が大ヒットデビューを果たした。2016年の大ヒット映画の続編で、CGアニメーションの動物キャラクターたちが暴れ回る、おなじみながら、カラフルで楽しい作品。シネマスコア社の調査による観客評価は「A」、Rotten tomatoesによる批評家評価は「91%」と、非常に高い。
日本人は大人もアニメに強い思い入れ
この結果は、日本人が日本のアニメ映画に求めるものと、アメリカ人がアニメーション映画に求めるものの違いを反映するものだと筆者は考える。また、日本において、日本のアニメというものが、作家性のある成熟した、独自かつ重要な文化であり、人々の思い入れが強いのだとも示していると思う。
まず、アメリカでのアニメーション映画は「ファミリー層」に向けたものだ。もちろん、『鬼滅の刃』や『チェンソーマン』のヒットが証明したように、若い男性を中心に日本アニメのファンはアメリカでも増えている。
しかし、ディズニー、ピクサー、イルミネーション、ドリームワークス、最近ではNetflixも含めたメジャースタジオがお金をかけて作るアニメーション映画は、すべてファミリーを想定している。
彼らに『楽しい時間を過ごしてもらう』ことこそ、スタジオの狙い。だから、笑いがたっぷりあることとハッピーエンドは、絶対のお約束だ。



















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