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ライフ #ころばぬ先の知恵88

84歳女性が「断捨離しない」代わりにした"決め事"――樋口恵子さん「身近なものを手放すことはつらい、整理する気力も体力もない」から

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  • 樋口 恵子 東京家政大学名誉教授/NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」名誉理事長
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このまま死ぬまで在宅で過ごすか、あるいは最終的に施設に入るかは、状況次第。いまの段階では、どちらとも決めていません。

娘に介護の負担をあまりかけたくないので、自立した生活ができなくなったら、施設に移るつもりです。しかし私は、「あなたの世話にはならない」とはひとことも言いません。

命を与えた親の最期を見届けるくらいのことは、子どもの義務だと思っています。

「片づけ」は拒否していい

家の建て替えで一番大変だったのは、荷物の整理です。それというのも、まずは旧宅から仮住まいへ。そして仮住まい先から、建て直した家へ、都合2回引っ越しをしなくてはいけないわけですから。

なにせ40年以上生活してきた旧宅です。モノの多さは半端ではありません。職業柄、本や資料類も多いし、おしゃれも好きだったので服やスカーフもたくさんあります。

それらのものすべてに目を通し、処分するものと仮住まいに持っていくもの、レンタル倉庫に預けておくものに分類しなくてはいけないのです。

旧宅を引き払うにあたって、ふだんからなにかと口うるさい娘からは、「荷物、とくに書類・書籍を半分捨てるように」と冷たく宣告されました。「30年間、一度も使っていないものがほとんどでしょう」とも言われました。私は、負けじと応戦。

「31年目に使うかもしれないじゃない!」

人から見たらガラクタかもしれませんが、私にはそれぞれ思い出があります。変色してページがくっつきそうな本も、若い頃に必死で書いた本のために集めた資料だと思うと、捨てがたい。

「捨てる」と考えただけで、身を引きちぎられる思いがするのです。

引っ越し応援団の力を借りてなんとか3分の1ほど減らしましたが、それ以上は無理でした。

家が完成し、新居できれいに荷物が片づいたかというと、そうはいきません。じつは引っ越して4年もたつのに、まだ私の部屋にはダンボール箱が積まれています。

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【ガラクタも残すが遺産も残す】

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