4代目プリウス、4年に渡る汗と涙の開発秘話 「いい走り」で海外からの評価を得られるか

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当然のことながら、40キロの達成は困難の連続だった。「何度もくじけかけた」と製品企画本部主任の山田寛之は振り返る。

最初に行ったのは、200項目に及ぶ燃費改善のアイデア出し。40キロという日本の燃費基準だけではなく、欧米の燃費基準、さらには実燃費を向上させるため、「たら」や「れば」といったアイデアを並べ、一つ一つ検証して採用できるものは採用していった。

エンジン自体の効率をアップするため、細かな部品の形状を変更。モーターやインバーターは、新技術や工夫を重ねエネルギー損失を低減した。ブレーキのエネルギーから発電する回生性能を向上させることで、モーター走行の距離や速度も大幅に引き上げた。

実燃費の向上にもこだわり

小さなマイコン一つとっても省電力化はもちろん、使い方を見直し、チップの数を減らすなど細かくエネルギー消費を削減していく。

空力性能の改善ではボディ上部だけでなく、床下の気流の最適化にも徹底的にこだわった。一つの工夫で数メートル、別の工夫で数十メートルといった具合に燃費の改善を積み重ねた結果が40キロだという。

燃費は現行プリウスを2割以上上回り、国内最高に

エアコンの風流管理による電力セーブなど、エアコンを使用しないJC08の改善にはつながらないが、米国の燃費基準や実燃費を改善する工夫もこらした。特殊な試験環境で計測するカタログ燃費に対して、一般に実燃費は6割から7割とされる。プリウスやHVについては特にその乖離が大きいとされてきたが、「新型は実燃費も大幅に向上している」(豊島)。

残念ながら実現しなかったアイデアも多い。例えば、現行バックドアに採用しているアルミの使用拡大は、量産性や衝突対応などの問題があり却下された。

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