4代目プリウス、4年に渡る汗と涙の開発秘話 「いい走り」で海外からの評価を得られるか

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新型プリウスについては早くから「40キロを目指している」という話が外部にも伝わっていた。今年早々には「40キロを達成したらしい」「40キロ超のメドがついた」といった話をトヨタ周辺から聞くこともあった。だが、山田によれば「(40キロの)メドが付いたのはギリギリだった」。

モーターとエンジンの制御を細かく調整して40キロが確実となったのは夏も終わろうとしていた時期だったという。

TNGAのメリットとデメリット

TNGAは共有化で浮いたリソースを商品力アップに振り向けたことで、インテリアの質感は確実にアップした

TNGAとはトヨタの新しい車作りのやり方で、車種をまたいだ共有化を従来以上に進めることが基本。ただ単にコストを削減するだけではなく、共有化で浮いたリソースを個別車種の差別化につぎ込むことで、魅力アップを狙うことを真の目的としている。

これには当然、デメリットもある。プリウスのプラットホームはこれまで以上に多彩な車種に採用される。より大きいエンジンやラジエーターを積むことも想定して設計されているため、プリウスのみに最適化したプラットホームにはなっていない可能性がある。

TNGAの新プラットホームでプリウスはこれまでより20ミリ低い車高を実現できたが、プリウスのみに最適化したプラットホームならばもう少し下げられた可能性がある。

それでも新型プリウス開発で「TNGA導入はプラスになった」と豊島は振り返る。新型プリウスとTNGAがほぼ同時進行だったため、TNGAの企画をプリウスに適した方向に誘導することが可能だったからだ。

TNGAという大義名分によって、大勢の開発陣をぜいたくに使うことも可能になり、工場の生産ラインに大きな投資を要するような新技術導入も通りやすくなった。

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