出場枠が「32→48」でもW杯出場を逃した… 中国の《卓球が超強くて、サッカーは冴えない》理由
中国卓球の圧倒的な強さは、4つの核心的要因に支えられている。
それは、国家的体制の優位性、広範な大衆的基盤、指導者陣の体系、競技大会の仕組みである。これらが相互に作用し、長年衰えることのない独自の強固なシステムを築き上げてきた。
1950年代以降、中国は「少年業余体校・省代表・国家代表」からなる3段階の訓練ネットワークを通じ、ピラミッド型の人材育成を徹底してきた。この重層的な仕組みこそが、絶え間ない人材供給を可能にし、卓球王国の基盤を揺るぎないものにしている。
少年業余体校は、中国における青少年向けのスポーツ専門学校で、競技スポーツのエリート選手を育成するための中心的な仕組みだ。昨年末に故郷の福州に戻ったとき、筆者は少年業余体校で数十年間卓球コーチを務めていた89歳のおばあさんに会った。彼女は「一生で最も誇りに思うことは、省代表チームや国家代表チームに数百人の教え子を送り出したことだ」と語った。
国家代表のコーチ陣は、五輪覇者や世界王者の集団だ。彼らは最新鋭のデータ分析を駆使して技術を解体し、細部まで磨き上げる。特筆すべきは、ライバル選手の打法を完璧に模写する「陪練(スパーリングパートナー)チーム」の存在だ。これにより、「研究・訓練・実戦」が一体となった隙のない循環が生まれる。
また、独自の選抜制度「直通大会」を筆頭に、多くの部内戦が選手を極限まで追い込む。コミュニティ杯から国際大会まで、この高頻度かつ多層的な試合経験は、技術のみならず、他国の模倣を許さない強靭なメンタリティを育んでいる。
1億人の熱狂、その根底にあるもの
中国において、卓球は単なるスポーツを超えた「国球」である。競技人口(愛好家含む)は約1億人にのぼると言われ、この圧倒的な裾野の広さが、強固な人材層を支えている。
公園へ行くと、いつもたくさんの人が卓球台を囲んでにぎやかにプレーしている。おじいちゃんやおばあちゃんが軽やかにラケットを振り、小学生たちも放課後になると自然と集まってきて、夢中で練習している。
半世紀前、筆者の幼少期には学校で卓球台などなかった。それでも、レンガの柱に家のベッド板を載せれば、即席の舞台が整った。子供たちはそんな手作りの台で、夢中で球を追いかけたものだ。
現在、小学校から大学まで、都市部でも農村部でも、ほとんどの学校に卓球台が設置されている。体育館の中だけでなく、校庭や中庭の片隅に石造りやコンクリート製の卓球台が置かれているのも中国ならではの光景。他のスポーツに比べて接触による怪我のリスクが低いため、学校側も推奨しやすい傾向にある。


















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