希少生物の主要な生息地で自然破壊が進む…「釧路湿原メガソーラー問題」釧路市と事業者の激しい攻防

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釧路市昭和北1丁目の事業予定地で木々が伐採された後、残った木にオジロワシが止まっていた(写真:高橋宏事さんが撮影)
昭和北1丁目町内会はじめ4つの町内会を含む6団体は記者会見を開き、懸念を表明した(写真:松橋尚文・釧路市議会議員が撮影)

国は「種の保存法」をめぐる検討を開始

キタサンショウウオは釧路市指定、タンチョウ、オジロワシは国指定の天然記念物であり、行政は文化財保護法のもとで保護を担当する。一方、キタサンショウウオ、タンチョウ、オジロワシとも種の保存法により、希少野生動植物種に指定されている。

法律で二重に守られているはずなのに、メガソーラーを含む開発でいとも簡単に駆逐されてしまうのは、なぜなのか。

種の保存法はこうした個々の希少生物の捕獲を禁止することを主眼に1993年に施行された。希少生物が住んでいる生息地の保護について、「生息地等保護区」の指定というメニューが用意されているが、全国に10カ所の保護区があるにすぎない。

「種の保存法では、例えば保護区ではないキタサンショウウオの生息地に土をぼかっと盛り、埋めて湿地じゃなくなっても、キタサンショウウオは死ぬんだけど、規制されない」(環境省野生生物課)というのが現状だ。

首相官邸が昨年暮れ、大々的に発表した「メガソーラーに関する対策パッケージ」。大規模太陽光発電事業に関する関係閣僚会議が12月23日に決定した。「不適切事案に対する法的規制の強化」が真っ先に挙げられ、種の保存法の改正も盛り込まれた。

環境省は「生息地等保護区」を増やす方向で、どういった手順でどのように増やすのか検討中だ。また、土地所有者や事業者に対して実効的な要請ができる方策を探っている。

河野 博子 ジャーナリスト

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こうの ひろこ / Hiroko Kono

早稲田大学政治経済学部卒、アメリカ・コーネル大学で修士号(国際開発論)取得。1979年に読売新聞社に入り、社会部次長、ニューヨーク支局長を経て2005年から編集委員。2018年2月退社。地球環境戦略研究機関シニアフェロー。著書に『アメリカの原理主義』(集英社新書)、『里地里山エネルギー』(中公新書ラクレ)など。2021年4月から大正大学客員教授。

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