希少生物の主要な生息地で自然破壊が進む…「釧路湿原メガソーラー問題」釧路市と事業者の激しい攻防

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キタサンショウウオのメス。体長12-14センチほど(写真:釧路水域保全の会提供)
キタサンショウウオの卵のう。光をあてると青白く輝き、「湿原のサファイア」と呼ばれる(写真:釧路水域保全の会提供)

事業者に不信感募らせる住民、危ぶまれる地域との共生

チェーンソーがうなる。釧路市昭和北地区で、オジロワシがよく止まっていた木々が切り倒されていく。釧路市議会議員の松橋尚文さんが「X」に動画を投稿した2日後の12月24日、昭和北地区を含む4つの町内会など6団体が記者会見を開き、建設工事が地域住民への十分な説明や合意がないまま進められている現状に強い懸念を表明した。

昭和北1丁目町内会の事務局長、澤浩二さん(70歳)は「建設資材を運び入れる進入路について、民有地を買い取って確保したとの説明があったが、調べるとそういう事実はなかった。事実と異なる説明が多く、不安になる」と話す。

同町内会の事務局次長、高橋宏事(こうじ)さん(55歳)は、「キタサンショウウオの調査をしっかりやってほしい」と訴える。高橋さんは小学生のころ、現在事業予定地になっている湿原でよく遊んだ。水たまりにあったキタサンショウウオの卵をカエルの卵だと思ってバケツに入れて持ち帰り、卵がかえったらオタマジャクシとは違うので慌てて返しに行ったことがある。6年前にその場所に行ってみたら、やはり卵のうがあったという。

昨年11月、昭和北1丁目の住民に向けた説明会で、日本エコロジー社は「キタサンショウウオが山から降りてくるのは3月、4月。常にいるわけではないので、いない期間に工事をする」と説明した。キタサンショウウオは湿原に暮らし、移動してもせいぜい数百mという範囲内で一生を過ごすことを多くの釧路市民は知っている。そのため、聞いていた住民たちから「えーっ」という声があがった。

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