希少生物の主要な生息地で自然破壊が進む…「釧路湿原メガソーラー問題」釧路市と事業者の激しい攻防
一方、新条例はキタサンショウウオの生息適地を含む区域を「特別保全区域」に指定し、5種の希少生物(タンチョウ、オジロワシ、チュウヒ、オオジシギ、キタサンショウウオ)を特定保全種に指定。ここで事業を行おうとする事業者に生息調査の実施や保全計画の作成を求めている。しかし、昨年末までに着工された事業は、新条例の対象とはならない。
そこで、鶴間秀典市長は12月25日に臨時記者会見を開き、「希少生物への必要な調査などの要請に対して適切な対応がなされないまま、工事を先行することは、新条例の適用外となる着工とは認められない」と述べた。記者たちからその意味を問われ、同席した市幹部が現実的には新条例の適用外になる、と説明。市長は「法令を遵守してほしいという思いを込めた」と語った。
今年に入り、日本エコロジーは「われわれは適正な調査を行っている」として、文化財保護条例に基づく手続きは必要ない、と回答してきた模様だ。
市は、財産権の侵害などをもとに訴訟を起こされる可能性も視野に準備を進めている。
釧路市がキタサンショウウオへの影響を心配する理由
市が文化財保護条例に基づく手続きを事業者に求めた場所のうち、例えば釧路市貝塚の事業地。南側にはメガソーラーがすでにある。近くに住宅はないが、線路を挟んで商業施設が建つ。自然環境や湿地保全に詳しくない人はここに太陽光パネルが並んでもいいじゃないか、と思うかもしれない。
釧路市がキタサンショウウオの保全に神経をとがらせているのには、わけがある。釧路市の国立公園区域の外の南部の湿地は、キタサンショウウオの国内の主要生息地であることが判明したからだ。
市は「釧路市内キタサンショウウオ生息適地マップ」を作成し、2020年12月から事業者に配布。2022年6月からは市のホームページにマップを掲載して、太陽光発電所の設置を計画する事業者に協力を求めてきた。


















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