スギちゃんみたいにワイルドでなくていい… 一発屋芸人・山田ルイ53世が行き着いた、自分の心の中の「とろ火」をキープする生き方
受験勉強にかかりっきりになるだろうから時間を奪われるし、漫才やコントを熟考する精神状態ではなくなるに違いない。散々悩んだ末、意を決して、「やっぱりコレ参加しません……」と伝えた際のマネージャー氏の顔が忘れられない。
「君、チャンス逃したよ? そんなヤツ絶対売れないわ!」と、言いたい放題詰められた。ほどなく“一発”を当て、事なきを得たが、以来事務所が苦手になった次第である。
本当にワイルドだった「スギちゃん」の真実
最近もこんなことがあった。
「ちょっとご相談が……」と近付いてきたのは、事務所の顔なじみの社員。業界的には先輩にあたる筆者のほうが、「おー、いつもお世話になってます!」とペコペコしたのは、彼がショッピングモールやお祭りでのお笑いステージ、企業パーティーでの余興といった「地方営業」の担当者だったからだ。妻と2人の娘がつつがなく暮らすため尽力してくれている、山田家の命綱のような存在である。
「君の頼みなら、なんでもござれ!」とばかりに盛大に愛想を振りまいたまでは良かったが、彼の口から「ご相談」の中身がつまびらかにされると、「あっ、あー……なるほど……」。先程までの勢いは鳴りを潜める。
雲行きが怪しくなってきたのは、彼が持ちかけてきたのが「ゴルフコンペを終えた社長たち一人ひとりに、お土産の小袋を渡す」という仕事だったからだ。
提示されたギャラもそう悪くなかったが、気が進まないのだからしょうがない。「なんか、すいません……」とやんわり押し返した筆者。
ちなみに、このオファーがわが事務所に舞い込んだのは3度目とのこと。ふと興味が湧き、これまでの2回は一体誰が引き受けていたのか尋ねると、「スギちゃんさんです」。


















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