松のオブジェ10億円、防災シェルター1億円…! 過熱する「ふるさと納税」の高額返礼品は控除額の上限設定でどうなるのか?
ふるさと納税の返礼品はもともと、地域で生産されている食料品や日用品が主だった。
しかし、ふるさと納税を利用する富裕層から「食べ物ばかり届いても食べきれないので困る」「数万~数十万円の寄付を前提にした返礼品ばかりだと寄付枠を使い切れない」といった声があがるようになった。
自治体にとっても高額寄付は大歓迎だ。そこで、100万円以上の高額寄付者のニーズに合う豪華な返礼品を用意する自治体が相次ぎ、競い合う状況に発展していった、というわけだ。
筆者は2016年、東京都港区など主に都心在住の富裕層向けにふるさと納税の手続き代行サービスをしている業者に取材した。
このとき富裕層に人気の返礼品を尋ねたところ、業者から「意外かもしれませんが、電動アシスト自転車が一番人気です」と打ち明けられたのを覚えている。理由を問うと、こう解説してくれた。
「坂道の多い港区では電動アシスト自転車は子育てに必須のアイテムなんです。どの家庭も寄付先の決定権はたいてい女性(妻)が握っていますから」
いま思えば、富裕層にしては「控えめ」な返礼品が人気だったのだ。
トレンドは「純金製品」
いま人気の高額返礼品のトレンドは福田さんによると、「純金製品」だという。
「金価格の上昇を背景に、保有しておけばこの先さらに資産価値が高まっていくことが見込まれるため富裕層に人気です。アクセサリーや工芸品、中には金の延べ棒や小判もあります。年末が近づくと、純金製品の返礼品を目的に100万円単位の寄付申請が1日に数十件出る日もあります」(福田さん)
一方で、ふるさと納税をめぐっては、豪華な返礼品を受け取れる人は高額の寄付ができる富裕層に限られる、という「金持ち優遇」の制度設計に対する批判も根強い。
実際、ふるさと納税は居住地以外の自治体に寄付すると、寄付額から2000円を引いた額が住民税や所得税から控除され、自治体からは寄付額の「3割以下」相当の返礼品を受け取れる。
税金の控除額には所得に応じた上限があり、それに合わせて高額所得者ほど寄付控除額の上限も高くなるため、より高額の返礼品を受け取れる仕組みになっている。
こうしたなか、昨年末発表の与党税制改正大綱で新たに課税所得1億円以上の高額所得者を対象に、住民税の特例控除額に193万円の上限を設けることが盛り込まれた。
これにより、独身または夫婦共働きの場合、所得税の寄付金控除201万円と住民税の基本控除44万円と合わせて438万円が控除の上限となる。
そうなると、ふるさと納税の控除適用の範囲内で寄付するのであれば、返礼品は最高級ランクでも寄付額の3割に当たる131万円相当という水準が見込まれる。この状況は、富裕層の「ふるさと納税離れ」を招くのだろうか。

















