イラン全土で現政権への抗議活動が拡大、もし革命が勃発すれば世界の地政学とエネルギー市場を一変させる重大な転機に

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A/Sグローバル・リスク・マネジメントのチーフアナリスト、アルン・ローマン・ラスムセン氏は、市場の「焦点は今やイランに移っている」と指摘。「ベネズエラで見られたように、トランプ政権下の米国がこの混乱に乗じて体制転換を試みる可能性があるとの懸念も市場で高まっている」と述べた。

トランプ氏はあらゆるリスクを承知の上で、米国とイスラエルにとって45年以上の宿敵であるイラン政府の転覆という誘惑に駆られる可能性がある。

「勢力均衡は劇的に変わるだろう」

新興市場のベテラン投資家マーク・モビアス氏はイラン政府が崩壊すれば「勢力均衡は劇的に変わるだろう」と語った。「最良の結果は政府が完全に変わることだ。最悪の結果は、国内の闘争が続き、現体制がそのまま支配を続けることだろう」と指摘した。

トランプ氏は時に、中東地域での米国の無謀な行動に反対してきた。長年の敵であったフセイン大統領のイラク政府打倒は、混乱とテロの時代を生み、数十万人の命と数兆ドルを失わせた。

この種の潜在的な権力の空白を湾岸協力会議(GCC)のアラブ指導者は憂慮していると、ある中東の高官は語った。サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールなどを含むGCCはこれまで、イランを敵と見なすことが多かったものの、近年は関係改善を模索してきた。イスラエルや米国がイランに軍事行動を起こしても、イラン政府がGCC加盟国を報復の標的にしないようにするためだ。

イランは攻撃を受けた場合、地域にある米国の拠点やイスラエルは「正当な標的になる」と警告している。

イランはこの2年で大きく弱体化してきた。 経済の停滞や激しいインフレ、イスラエルによるイランおよびその代理勢力への攻撃が要因だ。それでも、イランは中東全域の軍事基地や油田を射程に捉える大規模かつ高性能の弾道ミサイルを多数保有している。とりわけ重要な存在であるイラン革命防衛隊など多岐にわたる治安部隊の支持を政権は受けている。

シンクタンク、欧州外交問題評議会の中東・北アフリカ部門の副責任者、エリー・ゲランメア氏は、GCCやトルコ、パキスタンのような国にとって最悪の結果はイランの混乱だと述べた。この可能性が高まっているのは、イランの抗議者が都市の世俗エリートから宗教的保守派まで多様で、統一した指導者を欠いているためだという。

同氏は「GCCがここ数年、イラン政府と和解してきたのは、完全な混乱や未知の権力構造よりも、知っている悪魔の方がましという感覚がある」と語った。

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