住宅ローン減税は拡充、相続税対策は引き締め…2026年度「税制改正大綱」で変わる不動産購入の戦略

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過度な節税策ができないように変更

相続税対策についても変更点が多い。不動産を購入して人に貸したら相続税評価額が自用の場合より低く評価される仕組みがある。これは戦後の住宅の絶対数が不足していた時代に、地主に賃貸住宅を建ててもらうための税制として施行され、今でも残っている。これまで取得した時点で相続税評価額が下がったが、今後は相続発生前5年以内に取得した貸付用不動産には評価減が効きにくくなる。

これは暦年贈与を7年持ち戻すことが24年から行われているのと同様のことになる。持ち戻しとは、その贈与を無かったことにして課税するという意味である。つまり、亡くなる直前の相続税対策の無効化が目的になる。相続税対策をするなら、亡くなる時期がわからないだけに早期に計画的にやることが求められる。

また、不動産の小口化商品についても過度な節税策ができないようになる。小口化商品とは、賃貸マンションやオフィスビルを共同で購入し、賃料収入を分け合う投資商品のことを指し、取得の時期に関係なく通常の取引価格で評価する。

新築マンションの短期売買が近年のマンション価格の高騰につながっている一因とし、実需層に基づかない投機的な取引は好ましくないとの考えのもと、税制上の措置を含めて必要な措置を講じることも税制大綱には盛り込まれている。現状の取引実態を調査のうえ、何らかの対策が取られるだろう。今年の最大の注目点であり、不動産価格に大きな影響を与える可能性がある。

沖 有人 不動産コンサルタント

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おき ゆうじん / Yujin Oki

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、監査法人系・不動産系のコンサルティング会社を経て、1998年に現スタイルアクトを設立。住宅分野において、マーケティング・統計・ITの3分野を統合し、日本最大級の不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティング・事業構築を得意とする。設立当初から運営する分譲マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」の会員数は30万人以上。『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書)など著書多数。

 

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