「昇進8カ月で鬱病」管理職を襲う"感情労働"のリアル――理想の上司を目指した40代課長に生じたバーンアウト。そこから復活までの道のり
復職後、彼は「優しいだけのAさん」を卒業し、自分とチームを守るための新しい働き方を実践することを決意しました。彼が立てたルールは、以下の4つです。
・1on1ミーティングは30分で終わらせる
・しんどいときは、部下の前でも弱音を吐く
・有給休暇を積極的に取得する
最初の2つは、業務効率化の観点からも比較的容易に実行できました。
しかし、長年「強くあるべき」「弱みを見せてはいけない」と自分に言い聞かせてきたA氏にとって、あとの2つ「弱音を吐く」ことと「休暇を取る」ことは、非常に高いハードルでした。それでも彼は勇気を出して、トライしました。
あるプロジェクトで行き詰まった際、彼はチームメンバーの前で「どう進めたらいいか迷ってるんだ」と打ち明けました。すると、部下たちが次々とアイデアを出し合い、思わぬ突破口が開けたのです。
また、思い切って取得した有給休暇から戻ると、部下たちは「リフレッシュできましたか?」と笑顔で迎えてくれました。
A氏が気付いた「大切な真実」
この経験を通じて、A氏は大切な真実に気づきます。
上司が適度に弱さを見せ、部下を頼ることで、チームはより強く、自律的に成長していくこと。そして、何よりも大切なのは、上司自身が心身の健康を維持すること。そのために、休暇は「義務」ですらあるのだと。
管理職受難の時代。部下を大切に思うのと同じくらい、あるいはそれ以上に、管理職は自分自身の心と体を大切にする必要があります。
筆者も感情労働に従事していますが、仲間内で愚痴りあったり、顧客やクライアントへの対応を話し合ったりすることで、自分のストレスをケアしています。しかし、管理職の多くはそうした「感情のはけ口」を持たず、ストレスを抱え込んでいます。
有給休暇を取る。定時で帰る日を週に1日は作る。部下の前で「しんどい」と言ってみる。良い上司を演じるのをやめる――。
こうした小さな挑戦が、自分自身を救います。それは結果として、部下のためにもなるのです。自分を犠牲にするリーダーシップは、長続きしません。まずは自分に優しくする。それが、不確実な時代を生き抜く、新しいリーダーの姿なのです。
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