「店主の方がエサやりを見せてくださいました。ピンセットで虫をつまんで近づくと、どの子も一目散に寄ってきて、舌を伸ばして一瞬でエサを食べるんです。でも1頭だけ、僕らと目が合ったとたん、エサを咥えたまま5分くらい動かなくなってしまった子がいて。僕らに見られていることに気がついて、怖くてパニック状態になったんだと思います」
他の子は、見られていても平気でパクパクエサを食べているのに、その子だけが不器用に固まったまま動けない。フリーズした頭の上に、漫画でよくある「汗のマーク」が浮かんでいるようだ。「この子、変わっていておもしろいね」と、家族の意見は一致した。
「ただ、その場では連れて帰りませんでした。本当に飼育できるかを家族で話し合い、数カ月後にお迎えしたんです」
2018年1月、臆病で不器用、ちょっと変わったカメレオン、かーくんとの生活が始まった。
到底「飼いやすい」とは言いがたい…飼育のハードル
カメレオンは、アフリカやマダガスカルなどに生息するトカゲの仲間だ。爬虫類のなかでは、イグアナに最も近い。日本で人気の種は、カラフルな体色の「パンサーカメレオン」、その名の通り、烏帽子のような大きな角が特徴の「エボシカメレオン」、体が大きく丈夫な「ウスタレカメレオン」など。
恐竜を小さくしたような、いかつい見た目のイグアナに比べると、どことなくコミカルで動きも鈍いカメレオンは、爬虫類が苦手な人でも比較的受け入れやすいかもしれない。
しかし、到底「飼いやすい」とは言いがたい。
まず、カメレオンの生息域は日本の環境とまるで違う。山村さんが迎えたパンサーカメレオンは、マダガスカル北部および東部の森林地帯に生息する樹上性のカメレオン。人間が半袖で過ごしやすい程度の温度(25~30℃程度)と50%程度の湿度を好む。真夏に35℃を超える日本の夏にはエアコンが必須だが、エアコンを作動させれば湿度が低くなるため、同時に加湿器も必要になる。冬は当然両方フル稼働だ。
最適な環境をすべて手動で維持するのは困難なので、山村さんの場合、スマート家電をフル活用して環境管理をしている。
「温度湿度管理はカメレオンの寿命に直結するので、おろそかにはできません。お迎えする前にお店と同じ環境を再現できるか、自宅でやってみるといいかもしれませんね」
そのほか、山村さんがかーくんを迎えるにあたって揃えたものは以下のとおり。
・飼育ケージ
・ケージ台
・紫外線灯などの照明器具
・温湿度計
・止まり木や観葉植物
・給水器
・加湿器・除湿器
・エサ(生餌)



















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